技術者・研究者インタビュー Vol.1

技術者・研究者インタビュー Vol.1
技術者・研究者インタビュー Vol.1
走りながら考えて新規性をつかめ!

脚注

(*6)座長=電気学会の各発表セッションでは、より活発な議論を促すためほとんどの場合「座長」を置いています。これは、各企業・研究学術機関から輩出されています。
(*7)調査専門委員会=各企業・学術組織などから公募により集まった委員が、関係する技術分野についての論文などを集め調査する委員会。整理された情報を技術報告などの形で公開し、広く技術情報を発信する。
(*8)パワエレ道場=技術の発展を担う若手・中堅技術者を育成するために,年間5回1泊2日で,各種講座・工場見学・有識者との交流会を行う産業応用フォーラム。モータ道場とメカトロ道場(隔年)の併設企画。日々の仕事場面で活用できる有用な技術情報の提供と人脈形成を目的としている。

お互いの意見を聞けるのは楽しい

— 電気学会との関わりと活動についてお聞かせ下さい。

佐藤:就職後1年目に愛媛で開催された全国大会に参加しました。質疑応答は、今思えば社会人になり、初めて他企業の方と接した機会でした。わずかな時間でしたが、お互いの意見を聞くことができるのは楽しいと感じました。

椋木:私は応用物理でしたので、お二人と違って学生時代は入っていません。入社してから電気学会に入会しました。でも今では全国大会で座長(*6)を数回やっていますし、調査専門委員会(*7)の委員も2期やっていますので、かなり深い関わりになっています。とくに、前回の産業応用部門大会に学生と一緒に参加したら、パワエレで似たような研究の話を聞いて焦ったりするという刺激になっています。
今回の全国大会の会場には託児施設があるので、娘を預けて妻と私は座長として参加しました。二人ともパワエレ技術者のために成せる技ですね。ちなみに妻の座長分野は、変換器です。

田重田:学生時代に電気学会発表をしました。原稿締め切り間際、プログラムがうまく動かず夜な夜なデバッグして苦労しました。当日は、自身の知識不足に加え緊張でうまく発表できず、苦い思い出となりました。ただ、卒業後は、ここにいる技術者の方と同じフィールドで仕事をするのだと思い、社会人として一歩踏み出した思い出の場所です。同じ研究室のメンバと再会すれば、この日の思い出話に花が咲きます。
電気学会発表以外では、パワエレ道場(*8)に参加者兼幹事として参加しました。道場では、普段は接することができない著名な先生、先輩技術者に会うことが出来ました。技術・経験談からプライベートまで分け隔てなく話すことができ、私にとって大変貴重な時間となりました。また、開催ごとに懇親会があり、同世代の技術者とは夜な夜な語り合い、会社の枠を超えた道場仲間が出来ました。電気学会側が、このような活動を重要と捉え、機会を提供して下さることは私たち若手技術者にとって幸せなことで、電気学会に入会して良かったと思っています。

自社の技術を何処まで出すかが難しい

— 電気学会への要望事項や課題について話していただけますか。

椋木:オーガナイズセッションなどでは終わった後の質問時間が短いのですが、聞き逃したところや他の質問を受けさせるという意味で、例えば終わったあと再度ポスターセッションの様なものがあってもいいかもしれません。
また、今回大会会場で託児施設を設けたことにより、夫婦で参加できるため大変うれしく思っています。女性の方にも大変良い仕組みだと思いましたので、是非続けて欲しいと思っています。
最後に電気学会の受賞者をもっと大きく取り上げて宣伝したら?と思います。もう少しバーンと取り上げてはどうでしょう。

田重田:電気学会活動では、自社の技術のどの部分を他社との交流の場で話していいか、判断に迷う場面があります。こういった交流の場や会社での経験を増やして、取捨選択のできる技術者になっていきたいと思います。

佐藤:私もパワエレ道場に幹事兼参加者として参加していました。パワエレ道場の相互交流会で何処まで話すかは限界があるものの、自分の業務を紹介し合っていました。他社の若手の方の仕事内容や意見等を聞くと、自分の業務にも意欲がわいたので、こうした刺激を感じる機会があって良いと思っています。

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