平成30年度電力・エネルギー部門事業計画

  1. 活動方針(全般)
  2.  電力・エネルギー部門(B部門)は、国内外の研究者や技術者にとって一層魅力ある部門にすると共に、世界的なニーズである低炭素社会の実現および信頼性と経済性の両立等、電力・エネルギーに関する多様な課題に先導的に対応し、技術の着実な発展に貢献していく。具体的には、以下に示す活動をより充実させることで、部門会員の連携強化、若手会員の活動の拡大、部門会員の増加を目指し、部門全体で会計予算を達成できるよう月次管理も含め、対応していく。

    ① 活動内容の充実・レベルアップ
     活動内容の充実・レベルアップを図るべく積極的な企画・実行を行う。

    • 技術論文の質的向上・掲載数の増加、英文論文誌への積極的な投稿を図る。また、特集号の出版で、関連分野の投稿論文掘り起こしや部門大会の寄稿増加等の相互効果を目指す。
    • 調査専門委員会、研究会など技術委員会の研究調査活動の企画・実行を主導的に推進する。
    • 講演会、セミナー、シンポジウムなどの開催、特に将来の電気技術者に対し夢を与え、興味を高揚するための催しも積極的に企画・実行する。
    • 部門大会の企画においては、パネルディスカッション等により相互交流・研鑽を図るとともに、開催地の魅力を生かした開催を立案する。
    • 各種国際会議・研究会・シンポジウムなどの開催・参画を推進することにより、国際化活動の充実を図る。

    ② 活動内容・成果に関する情報発信の充実

    • 部門ホームページを通じた情報発信の充実など、広報一般の活動強化を図る。部門ホームページについては、部門紹介および部門大会、研究会、技術委員会や専門委員会などの最新活動状況や各種イベント情報を適時に掲載するなど内容の充実と更新頻度向上を図る。

    ③ 若手会員活動の拡大

    • 電力・エネルギー分野の若手技術者・研究者の育成を目的に、若手会員が多数参加し活躍できる場を提供するとともに、他部門・支部及び各種団体との共催行事等の開催を通して、自発的なネットワークの醸成を支援する。

    ④ 部門会員の増加施策

    • 平成28年度部門大会より試行した新規入会者に対する年会費削減等の会員増員策を平成30年度も計画し、部門発展に向けた取組みを継続する。

     B部門の収支は、平成20年度から黒字に転じ、平成29年度も黒字となったが、平成30年度も引き続き財務基盤の強化に努め、より一層の収入拡充策と経費節減努力を進める。

  3. 論文誌
  4. (基本方針)
    ・B部門では、ステークホルダーとのコミュニケーションツールの一つとして、部門論文誌およびニュース
     レターを発行している。また、電気学会の共通活動として、共通英文論文誌の発行にも積極的に参画して
     いる。この中で、部門論文誌および共通英文論文誌は、最新の学術・技術情報を発信することを目的に発
     行するものであり、また、ニュースレターは、B部門に所属する電気学会会員や企業に対して、B部門に
     関連する最新の諸情報を発信することを目的に発行するものである。
    ・これらの媒体の発行を通じて、ステークホルダーへの学術・技術情報サービスの提供の充実を図る。

    (部門論文誌の編修方針)
    ・部門論文誌は、電子投稿査読システムの下、現在、効率的な査読が行われている。電気学会が有する「丁
     寧な査読」と言うDNA活用しつつ、投稿された論文の価値向上に努めるとともに、査読期間の短縮による
     タイムリーな技術情報の発信など、魅力ある紙面編修に努め、会員サービスの向上、会員数増加に貢献
     する。
    ・査読期間の短縮、論文掲載の迅速化や研究テーマの多様化に柔軟に対応するため、論文委員の増員の
     ための方策を検討する。この課題の解決のために、論文委員会と連携し対応に当たる。
    ・B部門論文誌への投稿論文数、掲載論文数は、減少傾向にあることから、これらの数を増加させる努力を
     平成29年度に引き続き実施する。具体的には、B部門傘下の技術委員会および調査研究委員会から特集号
     のテーマ募集を行うとともに、その提案に基づくタイムリーで魅力的な特集号を企画・編修し、これに
     よる積極的な論文募集を行い、投稿論文数の増加につなげる。また、平成18年度から「質の高い研究会
     発表論文の部門誌への投稿を推薦する制度」を設け、研究会で発表された優れた論文を部門誌論文として
     座長に推薦していただいている。この制度を拡充・発展させ、投稿論文数の増加へつなげる。
    ・Wiley社が発行するElectrical Engineering in Japan(以下、EEJ)との連携強化を模索する。具体的に
     は、和文論文であっても英文翻訳論文としてImpact Factorが付加された論文誌に研究成果が公開される
     ことを広く電気学会会員や企業に知らしめるとともに、優れた和文論文の部門論文誌への投稿を促す活
     動とEEJへの採択に向けた取り組みを電気学会編修課と連携しながら行う。
    ・B部門独自の取り組みとして、B部門誌に投稿された論文の内、優秀な論文に対して、B部門優秀論文賞
     (仮称)を授与するなどの取り組みを通じて、会員サービスの向上、会員数増加策に資する。
    ・上記以外の投稿論文数増加へ向けた方策を論文委員会・編修委員会を中心に継続的に検討する。

    (共通英文論文誌の発行についての参画方針)
    ・電気学会が発行する論文誌の内、Impact Factorを有する唯一の論文誌であることを鑑み、共通英文論文誌
     の価値向上に向けた取り組みを積極的に行う。具体的には、共通英文論文誌への投稿や掲載論文の引用を
     誘うとともに、B部門として特集号の提案・企画を行う。
    ・これまでの取り組みの結果、共通英文論文誌への論文投稿数は、国外からの投稿を中心に順調に増加して
     いるものの、論文掲載率が低い(論文採択率が30%程度)傾向にある。これは論文投稿時の論文の質が、
     和文に比べ低いことが原因と推定される。この結果、電気学会の査読の特徴である「丁寧な査読」を行っ
     た場合、論文委員に多大な労力と負担を強いているとの指摘があることから、更なる査読の効率化を進め
     ている。具体的には、明らかに論文の体をなしていないようなものは、査読の早い段階で判断を下すな
     ど、論文委員会と連携して改善を図る。
    ・以上の活動を通じて、将来的目標として提示されているB部門独自の英文論文誌もしくは共通英文論文誌
     の分冊化の発行のための課題を整理する。

    (ニュースレターの編修方針)
     B部門に所属する電気学会会員や企業にとって魅力ある部門誌づくりのために、以下の方策を引き続き
    実施する。
    ・会員とのコミュニケーション強化
     a)「編修活動のご紹介」を引き続き年1回掲載し、編修委員会の活動状況や査読の実状などの報告を行う。
     b)B部門の一翼をなす「研究調査活動」について、「研究調査活動のご紹介」と題した記事を年1回掲載
      することを企画し、研究・調査運営委員会の活動状況や傘下の技術委員会、調査専門委員会の報告、
      関連する電気規格調査会の活動の報告を行う。
     c)B部門大会の折には、論文委員との懇談の場を設けて、論文委員とのコミュニケーションを密にする
      ことも継続する。
     d)部門長からのメッセージにより、B部門が目指している方向性を説明することを継続する。
     e)ニュースレターの一層の充実と質の向上を図り、確実な部門活動情報の発信に努め、今まで以上に会員
      とのコミュニケーションの強化を図る。
    ・部門大会論文の部門誌へ投稿数増加への施策
     a)部門大会の論文Iについては、大会論文への投稿と同時に査読・投稿システムによる部門誌への投稿を
      推奨している。また、通常の査読プロセスを経た論文を集めて、論文誌「B部門大会論文特集号」を
      出版し、タイムリーは情報を発信し、読者の関心に応えるものにしていく。
     b)論文投稿締切日(平成30年5月中旬に設定)を後ろ倒しすることで、年度始めからの十分な時間を確保
      し、投稿数の増加と質の向上を目指す。加えて、当該特集号の発刊も平成31年2月号(平成31年1月末
      発行)とすることで、十分な査読期間を確保し、特集論文号としての価値の向上を目指す。
    ・新たな企画の立案と実施
     a)「用語解説」のテーマについて、広く会員から支持される内容を検討するなどさらに改善を図る。
      特に、B部門大会時に開催される学生ブランチ交流会などの機会を活用して、アンケート調査を
      行い、学生のニーズを調査することで、若手会員にとっても魅力的な紙面となるよう努め、会員増
      につなげていく。
    ・その他の取り組み
     a)今後も、本誌との役割分担や経費抑制、編修委員の負担と部門誌の効果にも配慮しながら、会員の
      多くから支持され、会員の定着および増加に結びつくような新たな企画を立案し、実施していく。
     b)加えて、女性会員を増やすための試みや青少年層への働きかけも強化していく。

  5. 研究調査活動
  6.  各技術委員会では、策定した中期活動ロードマップに基づき、電力・エネルギー分野の技術動向や
    技術者・研究者のニーズを十分に勘案したテーマで、且つ最近の研究開発および国際標準化・規格化のトレンドに沿った調査専門委員会活動を実施する。調査専門委員会を立ち上げる際には、オープンな形で参加者を募る。
    調査専門委員会活動の成果は、技術報告やシンポジウム等で積極的に情報発信する。特に、技術報告に基づく講習会を積極的に開催することにより、成果の周知と販売数の一層の増大を図る。
    また、部門大会の機会を利用し、調査専門委員会活動のPRと共に技術報告の販売促進も兼ねた活動を一層充実させる。
    複数の技術委員会の合同研究会を数多く企画して、論文数の増大や人的交流の拡大を図るとともに、技術委員会の特徴に応じた多様な研究会の企画などを行い、研究活動の一層の拡大を図る。
    技術委員会の活動状況については、委員会毎に、技術報告書の出版・販売部数、研究会の論文数、研究会やシンポジウムなどの開催数や参加者数など多様な観点から評価し、フォローアップしていく。

  7. 部門大会
  8.  平成30年9月12日~14日、徳島大学・常三島キャンパスにおいて開催を予定しており、一般講演、YPC(Young engineer Poster Competition)、各技術委員会からの募集型座談会、企業展示会、特別企画(特別講演、パネルディスカッション)、テクニカルツアー、懇親会、論文委員会意見交換会、学生ブランチ交流会などを従来通り、継続して実施する。
     このような企画により、B部門更には電気学会の一層の発展・活性化に努めると共に、会員拡大に貢献する。

  9. 講演会、講習会等
  10.  各技術委員会における技術報告をもとにした講習会、セミナー、フォーラムを開催すると共に、部門が抱える政策や技術課題に関するシンポジウム、講演会などを企画する。
     優秀な若手が電力・エネルギー分野に多数進むよう、進路決定直前の理系を対象に新技術を中心とした「電力・エネルギー分野に関連する設備見学会と解説講義」で構成する「エネルギーワンダーランド」を開催する。各支部と連係した企画とし、若年層の電力・エネルギー分野への関心を誘う。

  11. 国際会議
  12.  タイとのシンポジウムについては、平成30年3月に実施したシンポジウムの結果およびICEEへのタイ参画の状況を踏まえ、発展的解消も視野に入れ進めていく。
     また、ICEEなどの国際会議の機会を活用して、IEEE PES、CSEE、KIEEなどとの交流を深め、負担が少なく、かつ、我が国の技術に対する評価および各種標準化活動などにおける我が国への理解と協力を高める効果の高い交流方法の検討を進めていく。

  13. 会員増員方策
  14.  部門会員数は、震災影響もあり、平成23年度以降、減少傾向が続いている。平成28年度に電力エネルギー部門大会に併せて入会手続きを行った場合に年会費を減額する施策を実施した結果、平成28年9月時点で、前年度に対して増員の傾向がみられ、本体策の一定の成果が確認された。平成28年度末の時点で一旦減少したものの、その半年後の平成29年度9月には増加の基調がみられており、増員施策の効果は継続して出ているものと考える。
     平成30年度においても会員減少に歯止めを掛けるべく、学会本部や各種活動と連携して、会員増加に向けた活動をこれまで以上に推進するとともに、平成28年度、29年度と同様に、電力エネルギー部門大会参加者の入会費減額等の会員増員策を継続して実施していく。
     さらに、魅力ある部門誌、充実した大会・研究会活動、若手の活動支援を具体的に推進するとともに、ホームページやパンフレットでのPRを積極的に実施する。
     また、若手会員の増加を目指して、高校生懸賞論文コンテストの開催や学生ブランチの設置・活動支援などの活動促進策を継続し、部門としての特徴を活かした増員活動を推進する。

  15. 広報施策とアクションプラン
  16.  基本方針は平成29年度に引き続き「活動内容・成果に関する情報発信の充実」、「新規会員増へ向けてのPR」である。その具体的な施策は下記である。
    (1)部門ホームページ、部門誌、ニュースレター、部門大会を通じた情報発信、会員とのコミュニケー
       ション活性化
    (2)学生の自主的活動にフォーカスした支援
    (3)部門誌電子化に伴う広報活動の変化とその対応

  17. その他特記事項
  18. 以下の活動促進化方策を企画・推進し、更なる活動の充実を図る。
    ①高校生懸賞論文コンテストの開催
     高校生や高等工業専門学校生に、電気工学に興味を持ってもらうために、平成30年度も高校生懸賞論文
     コンテストを開催する。応募者がさらに増えるよう、コンテスト開催の周知方法に工夫するとともに、幅
     広い分野からの応募となるよう努める。
    ②学生ブランチの設立支援・活動支援
     平成19年度より開始した学生ブランチについて、設立支援・活動支援を実施することで学生員の活動
     拡大・向上を図る。
     また部門大会等にあわせて交流会を開催することで学生間の交流を促進し、学会の魅力向上を図る。
    ③シンポジウム・フォーラム・チュートリアルの開催
     シンポジウム、フォーラム、チュートリアルを通じて若手会員の増大とサービス向上を図る。