GS10-9 スイッチトキャパシタフィルタにおけるSN比の改善手法
○ニコデムスレディアン,島  健(神奈川大学)
フィルタは信号処理において,重要なアナログ回路ブロックの一つである.フィルタの実装方法の内,スイッチトキャパシタ(SC)フィルタはプロセスばらつきの影響を受け難く,集積回路に適した構成とされている.SCフィルタにおいて,容量値と雑音電力間のトレードオフによって単位容量値が決定される場合が多い.一般的に,SC回路では容量が占有面積の大半を占めており,効率よく占有面積を削減するには総容量値を削減する必要がある.また,従来回路では入力可能な電圧振幅が最大となるように設計されており,入力電圧振幅が小さくなった時にSN 比が劣化してしまう.本稿では,電荷スケーリング法を用いて,SCフィルタの容量値を削減しつつ入力信号振幅が小さい時のSN比を改善できるSCフィルタの構成を提案している.