GS11-1 OPGWの電流サージで生じる光信号の瞬時偏波変動の実測
○山下育男(関西電力),森村 俊(電力中央研究所),村井 仁(沖電気工業),小川 理,黒野正裕(電力中央研究所)
送電線の最上部に敷設されるOPGWは、アルミ被覆鋼撚り線より線の内側に光ファイバが収容される構造となっている。この撚り線には、雷や送電線からの誘導によって電流が流れるが、その場合、光ファイバ周囲にらせん状の電流が流れるため、伝搬する光信号の偏波が回転することが知られている。特に雷撃や送電線事故に伴う電流はサージ電流となるため、短時間で急激な偏波変動が生じて光通信に影響が出ることも考えられる。そこで雷多発地のOPGWに信号光を伝搬させて、夏季から冬季にかけて瞬時的な偏波変動の観測を行った。その結果、OPGWへの雷撃によるとみられる偏波変動を2回検知でき、そのうち1回は偏波変動速度が 40 deg/μm という激しいものであった。また送電線事故の影響や送電線作業(試充電)に伴う偏波変動も検知でき、ストークスパラメータとして定量化できた。