GS3-1 Artificial Bee Colony Algorithmの解析に基づく多目的最適化手法の一検討
◎森田聖惇,田村健一,安田恵一郎(首都大学東京)
現実に存在する最適化問題の多くは,複数の目的関数を有する多目的最適化問題である。多目的最適化問題を解く上で,パレートフロンティアを近似可能な解集合を求めることに対して高いニーズが存在し,その探索戦略について様々な研究が行われている。一方,Artificial Bee Colony Algorithm(ABC)は働き蜂・傍観蜂・斥候蜂による探索機能の分担を特徴とする単目的最適化手法である。ABCは最適化手法の中でも新しく,研究の余地が大きい。特に,ABCの有する探索メカニズムを活かした多目的最適化問題への応用例は少なく,更なる研究が求められている。本稿では,ABCの探索メカニズムと多目的最適化の親和性に着目する。ABCに立脚し,探索機能の分担を活用することで効率的な近似パレートフロンティアの獲得を意図した多目的最適化手法を提案する。典型的なベンチマーク問題を用いて数値実験を行い,提案手法の探索性能を評価する。