GS4-3 胃X線二重造影像を用いた胃レントゲン検査における健常症例の判別
◎三浦大輝,阿部孝司(近畿大学),南 昌秀(金沢学院大学),田 海燕(神戸大学)
胃のレントゲン検査における医師の読影枚数の削減を目的として,胃X線二重造影像を対象に,コンピュータ診断により健常症例を判別する手法を提案する.胃X線二重造影像には,胃から腸に流れたバリウムが胃領域上に重なって映ることがあり,これは読影の際にノイズとなる.本手法では,まずこのような胃領域上に現れたノイズを除去する.続いて,医師の読影観点に基づき,胃X線二重造影像では健常な胃の襞は平行に乱れず並んで映るという特徴に着目し,画像から襞の平行性を定量的に評価することで健常度合いを表す特徴量を算出する.健常症例75枚と異常症例12枚からなる胃X線二重造影像87枚に対し,種々の判別器による健常症例の判別実験を行った結果,健常症例の再現率は概ね80%,適合率は全ての判別器において100%となることを示した.