GS5-1 複数の管理単位にまたがる業務を対象とした業務要件分析方法
○光國光七郎,戸田雅之(早稲田大学),齋藤 哲(日立産業制御ソリューションズ)
A社では6つの製品事業部がある。各事業部ごとに製品開発,部品開発,事業部の調達の3部門(管理単位)があり,この3部門×6事業部に加えて複数事業部の共通業務を分担する調達本部,物流本部,部品標準化部門がある。このように複数の管理単位で区切られている業務の管理境界を意識した業務要件定義は,仕様の合意に至る段階で膨大な労力と時間がかかる。従来の要件定義の考え方は機能(function)の整理から入る。そのため管理単位(事業部・本部)の内部機能を詳細化(部・課・ユニット)していくに従い機能数が増大化する。これにより管理単位間の連携数の可能性は詳細化した機能数の2乗になって膨大化し,要件定義時の抜け漏れの潜在的原因となる。そこで,提案の考え方は,先に管理単位ごとの責任境界から連携内容を設計し,その連携を機能の詳細化に合わせて引継いでいくという方法である。これにより,要件定義の抜け漏れを最小化する効果が期待できる。