GS6-3 住宅におけるガス流量計測に基づく需要推定(その2)-用途分解手法の高精度化-
○篠原靖志,上野 剛(電力中央研究所),近藤修平(関西電力)
家庭における最適なエネルギーの使い方の探索,熱源機器選択などを行うには,電気のみでなくガスについても用途毎の最終需要の把握が必要である。本稿では,主幹メータでのガス消費量(流量カウント)の時系列データに基づいて,各時刻の各用途(暖房,給湯,厨房)別需要量を推定する用途分解手法の高精度を検討する。用途分解の精度低下の要因は,計量室体積に比べてコンロ等のガス消費量は小さいため,ガス流量カウントの変化が間欠的で,各時刻の流速の把握が困難である点にある。そこで,本稿では,大きな流速変化の回数が少ないガス機器の性質に着目して,流量カウントの時系列から各時刻の流速および同一流速継続時間を推定し,本推定に基づき各用途の消費量を推定する用途分解アルゴリズムを提案する。本アルゴリズムを,4世帯での計測データ(最長21ヶ月)に適用した結果,各時間粒度での精度向上が確認された。