GS7-5 L1正則化付き線形回帰の逐次型アルゴリズム
◎金田泰昌,入月康晴(東京都立産業技術研究センター)
近年,制御をはじめ,様々な分野においてスパース推定が注目を集めている。その中でも,L1正則化付き線形回帰は凸最適化問題となるため,取扱いの容易さから様々なアプリケーションで応用されている。しかしながら,観測データ数が多くなると大量のデータ処理や大規模な行列演算が必要となり,計算コストが高くなるという問題がある。そこで,本研究ではL1正則化付き線形回帰に対して,データを一括で処理するのではなく,一つ前のステップで得られた解から逐次的に計算することができるアルゴリズムを提案する。逐次アルゴリズムを導出するために,本研究では評価関数の上下限を導入する。そして,その上下界の逐次解が解析的に得られることを示し,この解析解を用いて最適解を近似する。また,提案する解析近似解と最適解との誤差を見積もる指標を導出する。数値シミュレーションにより提案設計手法の有効性を検証する。