GS8-2 3D形状の特徴ベクトル照合による違法造形物の3Dプリンター出力規制技術の提案
○茂出木敏雄(大日本印刷)
筆者らは、危険物、著作権侵害物等の違法造形物の3Dプリンター出力を規制するため、出力対象のポリゴンデータをブラックリストと照合し、出力可否判定を行なう手法を提案した。これを実現するには、違法造形物のポリゴンデータを登録したブラックリストを構築する必要があり、この行為自体が著作権侵害になる懸念がある。そこで、原ポリゴンデータを上可逆な特徴ベクトルに変換してDB登録し、特徴ベクトルの形態で照合する方法を提案する。この方法は、前述のDB構築における著作権侵害の問題を回避できるだけでなく、特徴ベクトルが原3D形状のスケールやアングルに依存しないため、照合処理を簡素化でき、DB容量も大幅に削減できるメリットがある。また、特徴ベクトルは2D画像からも生成可能なため、2D画像と3D形状とのハイブリッドな照合も可能になり、著作権のある2D原画をもとに制作される違法な3Dフィギュアの出力も規制できる。