MC6-3 耐候性鋼橋梁の劣化環境評価に関する研究
○森田千尋,松田 浩,出水 享,梅崎俊樹(長崎大学),木本啓介(計測リサーチコンサルタント)
耐候性鋼とは,普通鋼に適量の合金元素を含有し,適度な乾湿の繰り返しにより,表面に緻密で密着性の高い保護性錆が形成され,腐食速度が遅くなるようにした鋼材であり,我が国の鋼橋建設量の中に占める耐候性鋼橋梁の比率は増加傾向にある。しかしながら,実橋梁におけるさびの生成状況と環境条件との相関を詳細に調査した事例はあまりなく,また,鋼材の曝露試験の結果と実橋梁の状況との対応についても未解明な点が多く,一般的な耐候性鋼材を無塗装で問題なく使用するためのデータは必ずしも十分ではない。そこで,本研究では,ACMセンサを用いて錆の生成状況と腐食環境との相関を定量的に評価し,既設橋梁における腐食環境因子の検討を行った。また,錆の生成状況の確認と錆の良し悪しを客観的に判断するための評価方法を検討した。