OS2-7 視線と随意性瞬目の情報を用いる入力インタフェース
○阿部清彦,佐藤寛修(関東学院大学),松野省吾(電気通信大学),大井尚一,大山 実(東京電機大学)
近年,重度肢体上自由者のコミュニケーション支援のために,人間の視線方向の変化を捉えコンピュータへコマンドや文字などを入力する視線入力に関する研究がさかんに行われている。筆者らは自然光(LEDや蛍光灯照明)のもとに,家庭用ビデオカメラ1台とパソコンのみを用いて視線入力を行う方法を開発している。筆者らが開発したシステムは,高信頼かつ高精度の注視点計測を可能としており,マウスカーソルをユーザの注視位置へ移動させることができる。また筆者らは,撮影された瞬目の動画像から,自発性(無意識の)瞬目と随意性(意識的な)瞬目では持続時間などに大きな差があることを確認した。これにより,随意性瞬目を自動識別することが可能となった。この手法を視線入力システムに組み込み,随意性瞬目によりマウスのクリックに相当する入力決定を行なう入力インタフェースを開発した。開発したシステムとその評価実験の結果を報告する。