PS3-7 振動を用いたDNAの増幅法の開発
◎松下岳史,鈴木 温,井上和仁,安積良隆,山口栄雄(神奈川大学 )
従来、DNAを増幅させる技術であるPCR法では、第一段階として94℃の高温によってDNAを二本鎖から一本鎖に解離(変性)させるプロセスがあるため、DNAの搊傷や酵素の失活などの問題がある。我々は、この熱変性に代わる振動を用いた変性技術を提案し、今回、それを利用した室温付近でのDNA増幅を報告する。
実験方法は、DNAと酵素などが混合された溶液[50l]をマイクロチューブ(内容量:0.1ml)に入れ、チューブ全体を振動子により100Hz~500Hzで振動させることでDNAの変性と増幅を行った。振動子に加える電圧や周波数を変化させることによって変性及び増幅条件を調べた。更に、上記チューブ外の条件とは別に、チューブ内溶液の塩濃度等を変化させることで、DNAの増幅効率を高めることを調べた。