PS4-9 タップMOSFETの寄生容量の影響をπ型整合回路で補償する疑似伝送線路
◎木谷嘉孝,和田和千(明治大学)
アナログFIRフィルタなど高周波信号の伝送では、MOSFETの寄生容量を考慮して線路のインピーダンス整合を行う必要がある。しかし、寄生容量に並列にインダクタを挿入する構成の整合回路などでは、それぞれ整合できる帯域や設計可能な遅延時間に限界がある。また、整合をする節点の取り方によっても信号振幅に誤差が生じる可能性がある。そこで本稿では、周波数範囲の限界と設計可能な遅延時間を増やすために、インダクタや寄生容量の半分の容量を持つキャパシタを挿入することで寄生容量を含めて疑似伝送線路として扱いインピーダンス整合をする回路について述べる。また、線路につながるMOSFETのゲート端子の節点で正確に整合を取るためにπ型の回路構成で整合を行う。