PS5-1 画像相関法を用いた血液粘度推定における放物線型相関領域の設計
◎須永 涼,山岸直生,佐藤隆幸,渡部泰明(首都大学東京)
血液粘度は様々な疾患の病態を知るうえで大きな指標の一つである。血液粘度を決定する要因は種々あるが、中でも赤血球の凝集度は血液の粘度を決定する重要な要素である。また、人工心肺や人工透析といった血液の体外循環時に、血液粘度をリアルタイムに把握することは医学的ニーズが高い。本研究室では、画像相関法に基づく体外循環時の血液粘度推定の研究を行ってきた。矩形管に血液を模した試料を流し、連続撮影より2枚の画像を得る。その画像に長方形相関領域を用いて画像相関を行い、赤血球の凝集度合いを推定する。しかし、一般に管内を流れる流体では流速分布が生じる。そのためこの方法では流れ前後の粒子の物理的位置照合の誤差が大きいと考えられる。本研究では矩形管内の流体の流速分布をシミュレーションにより計算し、流速分布に則した相関処理の領域の形状設計、評価を行った。その結果、相関値の上昇がみられ、より適正な照合を可能とした。