PS5-2 大脳皮質の脳溝の形状が誘導電界分布に与える影響の考察
◎吉松裕貴,塗木淳夫,湯ノ口万友(鹿児島大学)
磁気刺激法は,磁気刺激コイルにパルス電流を流すことによって生じる誘導電界で,神経や筋などを刺激する方法であり,リハビリや精神性疾患の治療に用いられている.しかし,磁気刺激によって生体内に生じる誘導電界分布は局在性や深部性にそれほど注意が払われていないことが現状である.磁気刺激を行うにあたって,刺激部位を正確に知ることが重要であり,そのためには生体内における誘導電界分布の推定を行う必要がある.しかし,組織の形状や電気的性質が複雑であるため実測での誘導電界分布の推定は極めて難しい.そのため,複雑な導体における誘導電界分布を推定するには,生体近似モデルに磁気刺激をした際に生じる誘導電界の計算を行う方法が有効である.
本研究では,コンピュータ上で組織形状を考慮した大脳縦裂や脳溝を含む頭部組織のモデルを構築し,頭部モデル内の誘導電界分布の推定を行い,形状の影響に関する検討を行った.