TC1-4 PPLN導波路を用いた低雑音位相感応増幅器の研究
○遊部雅生(東海大学),梅木毅伺,竹ノ内弘和(NTT先端集積デバイス研究所)
近年、光通信の分野では光ファイバの非線形光学効果により光信号のS/N比の劣化が生じることが指摘されており、光パワーを増大させずに雑音を低減するか、あるいは高い入力パワーの条件下での雑音を軽減する技術が必要であると考えられる。その候補として位相感応増幅器(PSA)が注目されている。現在、光通信で用いられているエルビウム添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器では理想的な場合でも入力光のS/N比を半分に劣化させてしまうのに対して、PSAでは理論的には入出力のS/N比を劣化させない増幅が可能であることが知られている。さらに、PSAの信号光の位相によって利得が変化する性質を利用して位相雑音を低減することも期待できる。本講演では非線形媒質として周期分極反転ニオブ酸リチウム(Periodically Poled LiNbO3 :PPLN)導波路を用いた位相感応増幅器の研究の進展と今後の課題について述べる。