TC13-5 電子端末利用による新しい呼吸困難スケーリングシステムの基礎検討
◎野澤昴祐,舟山雄太,山下知子,戸田 健,古川典子,伊藤玲子,丸岡秀一郎,権 寧博(日本大学)
呼吸器疾患の問診時所見では,労作時の呼吸困難(息切れ)度合いが診断基準の一つとなる.呼吸困難度合いの評価には患者自身による直接評価と,医療従事者による間接評価とがある.前者ではBorgスケール,VASあるいはNRSを用いた数値化,後者では5~6問で構成される質問票(Hugh-Jones分類,MRC・mMRCスケール)により問診を通して重症度が5~6段階に分類される.しかし前述した評価法にはそれぞれ利点・欠点があり,どの評価法を使用すれば良いかの問題が解決されずにいる.本研究では,この問題を電子端末の導入により解決を試みる.間接評価法の質問の回答に直接評価法を取り入れ,被験者に全ての質問に回答してもらう.回答結果を階層クラスター分析し,質問項目や順番を患者の回答に対し適応的に変えることで省手間・時間で高精度な分類に導くデータベース・エンジンを設計する.これにより医療従事者の技量による差も解消できる.