TC13-7 指さしの意図解釈におけるオンライン・フィードバックの役割:映像対話を用いた検討
◎安田哲也(十文字学園女子大学),小林春美(東京電機大学)
対面において他者意図を正確に推測するために、非言語情報の統合的な理解が必要であるという報告がある(Yasuda & Kobayashi, 2010; 2014)。うなづき等のビートやターンテーキング他を用いて、話者と被話者の会話リズムが共起した結果、精緻なコミュニケーションが行われると考えられる。一方、遠隔対話状況では、そのような人間が発する繊細な情報を正確に伝えることは困難と予想されるため、対面状況と同様に非言語情報の統合的な理解への処理が行われているかは明らかではない。本研究はデセプション手法を用い、語意推測課題によりオンライン・フィードバックの有効性を調べた結果、フィードバックの有無により語意推測得点が異なった。このことから、対面でない遠隔対話状況において精緻なコミュニケーションを行う場合には、教示者の視線などの情報を配慮する必要がある。