TC18-5 肺聴診音のスパースモデリング
○酒井智弥,喜安千弥,宮原末治(長崎大学)
我々は,電子聴診器等で聴取した肺音を,性質の異なる構成音に分離する信号処理の技術を開発している.呼吸音以外に聴取される異常な肺音はラ音と呼ばれ,連続性と断続性に分類される.これらの肺音を個別に聴くことが可能になれば,医師や看護師の聴診技術向上に貢献することは勿論のこと,聴診をコンピュータで支援するシステムの開発にも有益であると考えられる.しかし,それぞれの肺音の波形やスペクトルを直接にモデル化することは容易ではなく,教師あり機械学習のための大量の肺音サンプルを用意できるとも限らない.本講演では,時間周波数領域における肺音の低ランク性とスパース性を利用して肺音を分離する手法と例を示し,その有効性を議論する.また,同手法を効率化・頑健化する最近の算法を紹介する.