TC19-5 筋電および脳波を用いた自転車の乗り心地評価のための一解析
◎豊島紀樹,満倉靖恵(慶應義塾大学)
本論文では,筋電と脳波を用いた自転車の乗り心地評価法の確立に向けた解析を行う。従来の生体信号を用いた自転車の乗り心地評価に関する研究においては,筋電のみの計測が行われている。しかしながら,筋電計測により疲労の度合いを評価に考慮できる一方で,嗜好などの感性を反映することは困難である。そこで本研究では,筋電に加え,感性情報を反映可能な脳波を評価指標として用いた自転車の乗り心地評価法の確立を目標とする。本論文では,乗り心地の異なる自転車を用いた走行実験を実施し,取得した筋電および脳波に対して解析を行った。筋電と脳波の特徴量を用いて,自転車の乗り心地の差異検出を試み,分類率を算出したところ,高い値を示した。以上より,提案した評価法の実現可能性が示されることが分かった。今後は実用化に向け,乗り心地の良さに伴う各生体信号の特徴量の変動を詳細に調査する必要がある。