TC3-9 非対角成分交叉による進化的ペトリネットの高速化
◎鈴木拓央(愛知県立大学)
本研究では、ペトリネットの最適構造を遺伝的アルゴリズムにより学習する手法『進化的ペトリネット』に、新たな交叉法を導入することで、学習の高速化を実現した。ペトリネットは離散イベントの同期関係や依存関係を表現可能なモデルであり、チーム医療などの集団業務の可視化に利用することができる。しかし、ペトリネットは2種類のノードで構成されるため、構造上の制約が存在する。著者らの先行研究では、2種類のノードの組を『ユニット』と称し、1つのユニットを1本の遺伝子で表現することにより、制約を満足する個体を効率的に生成することに成功した。本研究では、1つの個体を構成する複数本の遺伝子を行列として取り扱い、同期関係ならびに依存関係を表す部分正方行列に対して交叉を適用することで、進化効率を大幅に向上した。具体的には、複数の親個体を選択し、部分正方行列の非対角成分の加算値などに基づいて同数の子個体を生成した。