TC4-4 流し営業のタクシー車両に対する目標エリア決定アプローチ
◎大原 誠,玉置 久(神戸大学)
本研究では,客を探して移動を続けるタクシー(いわゆる"流しのタクシー")を対象に効率良く客を発見できる地域を指示する配車ルールの構成とその獲得手法を提案する.

道路運送法の改正によるタクシー業界の大幅な規制緩和により,タクシー業界への新規参入や増車が相継ぎ,業界全体で車両数が飽和気味となっている.そのため会社間での過当競争,ひいてはタクシードライバーの賃金低下や労働環境の悪化が懸念されている.特に,ドライバー個人の経験に依存して客を探索する場所を決める従来の方法では,客の多い場所を知らない新人の増加が問題となる.そこで効率良く客を探索できる行き先をドライバーに提示できるシステムが必要とされている.

本論文では過去および現在の観測情報を元に,対象車両についての各地域の優先度を求め,もっとも優先度の高い地域を提示する優先度ベースルールを構築し,その有用性を例題を通して確認する.