TC7-5 SOI MOSFETを用いたTHz帯アンテナ結合ボロメータの検討
○猪川 洋,椊田剛央,鈴木佑弥,廣本宣久,佐藤弘明(静岡大学)
シリコン・オン・インシュレーター(SOI)上に形成した金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を、THz帯のアンテナ結合ボロメータに応用することを検討した。具体的には、MOSFET直下のシリコン基板内に空隙を形成して熱的に絶縁し、ゲート電極をヒーター(アンテナの負荷抵抗)として利用し、温度上昇をしきい値電圧の変化として検出した。MOSFETには増幅作用があるため1000 V/Wを超える感度を実現することができた。この値は、チタンをサーミスター材料として使った同程度の寸法を持つボロメータと比較して1桁以上大きい。実効的な抵抗温度係数(TCR)を算出したところ、高TCRサーミスター材料として知られる酸化バナジウムやアモルファス・シリコンに匹敵する値であることが分かった。