TC8-4 ミニテストとPID制御シミュレータを用いた試行錯誤型PID制御実験の有効性の検証
○逸見知弘(香川高等専門学校)
著者はこれまで制御工学教育の実験方法の一つとして,PID制御を対象とした試行錯誤型の学生実験を実施してきた.この実験で試行錯誤的にPID制御の3つのパラメータを変化させて複数回実験を行い,各応答に対してパラメータと応答の変化を考察させることで,各パラメータの役割,実際の応答波形への影響,PID制御の数学的意味と実際の応答との関係性を経験的に習得する実験方法である.これまで,有効性の検証として,学生に対するアンケート調査により満足度や理解度など定性的に確認してきたが,実際に学生に実力が付いたかを定量的には調査できていない.そこで本稿では,定性的な有効性を行うべく本実験の体験の有無によるPID制御におけるパラメータの役割の理解度を確認するテストならびに,PID制御のシミュレータによる最適なパラメータの導出シミュレーションをおこない,これまで行ってきた試行錯誤型の実験方法の有効性の検証を目的とする.