平成20年 電力・エネルギー部門「研究・技術功労賞」受賞者

電力・エネルギー部門(B部門)では,長年,地道な活動を続けてこら れ,技術の発展に貢献された研究者または技術者の方々の労に報いるとともに, 電力・エネルギー分野技術の更なる発展を図ることを目的とし,平成18年から, 部門表彰制度として「研究・技術功労賞」を新たに設けております。
研究調査運営委員会および部門役員会での審査の結果,平成20年度の受賞者は, 次の3名の方々に決定いたしました。表彰式は,広島大学で開催されました平成 20年電力・エネルギー部門大会の懇親会(9月25日)で執り行われました。

(あいうえお順)

件名 受賞者(所属) 受賞理由
「電力系統の絶縁合理化に関する研究開発への貢献」 財満 英一 殿
(東京電力(株))
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受賞者は,長年にわたり絶縁協調技術の業務・研究開発に携わり, 送電設備から変電設備,さらに配電設備にいたる系統絶縁技術で多くの優れた研 究業績を残し,電力系統の合理化に大いに貢献してきた。さらに,CIGREやIEC規 格など国際委員を長きにわたり担務し,日本の技術力を世界にアピールするな ど,日本はもちろん国際的に絶縁協調技術の向上,電力系統の設備合理化に貢献 された。
「電力用がいしの汚損性能向上による電力システムのコンパクト化、信 頼性向上への貢献」 伊藤 進 殿
(日本ガイシ(株))
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受賞者は,30年以上の間,電力用がいしの汚損時の電気特性向上に 関する研究に従事し,汚損地域に使用される「送電線用懸垂がいし」および「変 電所用がい管,ステーションポストがいし」の研究開発を行い,多くの実験デー タに基づき,電気的に最も効率的な笠形状を決定し,送電線用および変電所用の コンパクトで汚損性能の高いがいしを開発し,信頼性の高い電力システム構築に 貢献した。さらに,長年にわたり技術委員会,調査専門委員会委員等を務めるな ど,がいし汚損技術分野の研究推進,技術発展に大いに貢献された。
「電力系統の解析・安定化技術発展への貢献」 杉原 弘章 殿
(中国電力(株))
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受賞者は,20年以上の間,電力系統の解析・安定化に関する研究を 実施しており,SVCや交直変換器等パワエレ機器を含む電力系統の瞬時値解析 やそのリアルタイムシミュレーションを数多く手がけ,これにより安定度検討や 安定化方策の効率的な検討に寄与した。また,実際の電力系統の固有値解析から 動揺モードを抽出し,当該系統における電力動揺の観測結果と比較検討し,動揺 発生のメカニズムを解明するとともに安定化対策を提案したほか,制御所におけ る電力系統の運転を支援する各種の支援システムの開発・試験や電力系統全停電 時の復旧手順を自動生成するプログラムの開発など,電力系統の解析・安定化技 術の発展に貢献された。