【開催日:9/2(火)】電気学会中国支部講演会(主催)
2025/08/25
電気学会中国支部主催講演会の ご案内
【日 時】2025年9月2日(火) 15:30~16:30
【場 所】広島大学工学部A1棟141中会議室(〒739-8527 東広島市鏡山1-4-1)
【演 題】「パワーエレクトロニクスを応用した電力系統の制御技術」
【概 要】
最近では,パワーエレクトロニクスという技術用語が定着して久しく,とりわけオンオフ制御が可能な自己消弧形の半導体素子を活用して直流電圧を交流電圧へと変換する,いわゆる自励式電力変換技術が現代社会の電気エネルギー活用において必須の技術となっている。自励式変換器では,直流電圧を背後電圧として,原理的にはそれを振幅とする任意の波形を自己消弧素子のスイッチングによる回路切り替えにより生成することができるため,電力系統との連系点の瞬時電圧を検出してこれに同期する交流電圧を出力させることで,有効・無効電力の授受が可能になる。この特徴から,交流送配電網に太陽電池や蓄電池を連系するために必要となる交直変換器などに多用されるようになっている。さらにマルチレベル変換器など,大容量化を実現するための変換回路の工夫も重ねられた結果,高電圧直流送電用変換器も自励式で実現されるようになってきている。
一方,電力系統制御の観点からは,過去には,FACTS(Flexible AC Transmission Systems)構想に基づき,大容量のパワーエレクトロニクス機器を電力系統制御に応用する研究が盛んに行われた時期があった。そのうち,自励式変換器を応用した方式に注目すると,我が国でも無効電力補償装置の導入が各所で行われているほか,系統間連系においても自励式変換器による直流送電が既に稼働しており,パワーエレクトロニクス技術を活用した電力潮流の柔軟な制御の実例も見られるようになっている。さらに近年とくに期待が高まっている洋上風力発電においても,その発電電力を陸上に送電するためには直流送電が有利であり,この場合に陸上に設置される逆変換器には主として自励式変換器が採用されると考えられるため,これを積極的に活用した電力系統制御技術に関心が寄せられている。さらに近年では,自励式変換器を介した発電装置による発電電力が総発電電力の大きな割合占める場合に電力系統の慣性が低下する問題が指摘されており,この対策の一つとして自励式変換器自体を同期発電機のように振る舞わせる制御方式に関する研究が盛んに行われている。この場合,自励式変換器は,電力系統を「構成」する重要な役割を果たすようになることからグリッドフォーミングインバータと呼ばれる。
そこで,本講演では,自励式電力変換技術の概要を説明したのち,FACTS機器に端を発する電力系統へのパワーエレクトロニクス応用のこれまでとこれからについて,最近の研究成果の一端も織り交ぜながら,講演者なりに概観した内容について紹介する。
【講 師】 徳島大学 大学院社会産業理工学研究部理工学域電気電子系 教授 北條 昌秀 氏
【問合せ先】広島大学 大学院先進理工系科学研究科 電気システム制御プログラム 電力・エネルギー工学
造賀 芳文,佐々木 豊
Tel:082-424-7668(佐々木直通),Fax:082-424-3586
e-mail:yusasaki@hiroshima-u.ac.jp(佐々木)
【参加費】 無 料
【事前申込】不要
【主 催】電気学会中国支部
【共 催】調整中