平成22年度工業標準化事業表彰及びIEC1906賞の受賞

電気規格調査会
標準化推進室

去る平成22年10月18日,都市センターホテル3階のコスモスホールにて,平成22年度の工業標準化事業表彰式が盛大に挙行されました。日頃から工業標準化活動に顕著に貢献された方々を対象にした表彰です。今年度は,電気学会電気規格調査会関係者から経済産業大臣表彰に1名,経済産業省産業技術環境局長表彰に2名,IEC(国際電気標準会議)1906賞に2名の方が受賞されております。

経済産業大臣表彰には,IEC/TC106(人体ばく露に関する電界,磁界及び電磁界の評価方法)の国内委員会委員長を務めている首都大学東京の多氣昌生氏が受賞されました。
多氣氏は,IEC/TC106の日本代表及び国内委員会委員長として、IEC62110(電力設備電磁界の評価方法)の制定を我が国主導で推進し、人体への安全性評価方法の国際規格を確立するなど、低周波から高周波にわたる電磁界の人体ばく露評価に関する我が国の国際標準化活動の強化,社会への普及啓発に大きく貢献されました。
経済産業省産業技術環境局長表彰には,国際標準化貢献者表彰として,IEC/ TC106の国内委員会幹事補佐を務めている(株)NTTドコモ 大西輝夫氏が,また国際標準化奨励者表彰として,(社)電気学会 標準化推進室の高濵公代氏が受賞されました。
大西氏は,IEC/TC106において、PT62209(人体近傍で用いる無線情報端末の比吸収率測定方法)のエキスパートとして積極的に参画・貢献し,我が国の意見や氏の独自研究成果を積極的に反映させ、我が国の状況に即した国際規格とするなどの貢献をされました。
高濵氏は,水平・基礎分野、都市産業基盤を含んだ44のIEC/TC/SC国内委員会の審議団体を受け持つ電気学会の事務局として、国内委員・国際エキスパートなどが国際標準化活動を適格・迅速に行えるよう、IEC事務処理に関するサポート業務全般を担当し、円滑な国際標準化活動に貢献しており、今後も積極的な国際標準化活動の支援に期待するとして受賞されました。

また,同時に実施されたIEC(国際電気標準会議)1906賞の受賞式では,電気学会電気規格調査会関係者からはIEC/TC22(パワーエレクトロニクス)の国内委員会幹事を務めている(株)日立製作所 古関庄一郎氏とIEC/SC22F(送配電システム用パワーエレクトロニクス)の国内委員会委員長を務めている津山工業高等専門学校 田辺茂氏の2名が受賞されました。この賞は,IEC/TC/SC役員の推薦を考慮して選考されたもので,IEC/TC/SCの活動に貢献したことに対して表彰するものです。
古関氏は,TC22国内委員会幹事としての規格開発への功績,及びMT3(IEC 60146シリーズおよび61148のメンテナンスチーム)コンビーナとしてIEC 60146シリーズ(半導体電力変換装置)のメンテナンスを担当し,特に変換装置基本規格IEC 60146-1-1(一般要求事項及び他励変換装置 第1-1部 基本要求事項の仕様)の改正にあたり主担当として作業を推進したことに対する功績が,田辺氏は,SC22Fのほぼ全てのプロジェクトへ国内委員会委員長として積極的に関与し、MT9(IEC 60700-1のメンテナンスチーム)のコンビーナとしてIEC60700-1(高電圧直流送電用サイリスタバルブ – 第1部:電気試験)のメンテナンスへの多大な貢献に対する功績がそれぞれ認められたものです。

写真1から3に,受賞された方々の集合写真を示します。

経済産業大臣表彰受賞者
写真1 経済産業大臣表彰受賞者
最後列の左端が多氣氏
産業技術環境局長表彰
写真2 産業技術環境局長表彰 国際標準化貢献者賞及び奨励者賞受賞者
2列目左から6番目が大西氏,3列目右から4番目が高濵氏
IEC1906賞受賞者
写真3 IEC1906賞受賞者
2列目右から3番目が古関氏,2列目右端が田辺氏