令和6年度電気規格調査会規格委員総会の報告
電気学会 標準化推進室
7月23日午後、電気学会 会議室にて令和6年度電気規格調査会規格委員総会を開催いたしました。 まず、令和5・6年度 電気規格調査会 委員の交代報告、令和5年度電気規格調査会事業報告、令和6年度事業計画報告が行われました。 次に、今年度が19回目となる電気規格調査会功績賞の表彰式が執り行われました。功績賞には「送電用鉄塔設計標準特別委員会」を代表して石川 智巳(いしかわ ともみ)様および田代 洋一郎(たしろ よういちろう)様が表彰されました。そして、受賞者の方からご挨拶がありました。下表に令和6年度電気規格調査会功績賞の受賞者、貢献内容および所属部会・委員会を示します。
受賞者(敬称略) | 貢献内容 | 所属部会・委員会 | |
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功績賞 | 送電用鉄塔設計標準特別委員会 | JEC-5101:2022「送電用鉄塔設計標準」の改正 JEC-127-1979「送電用鉄塔設計標準」は制定以降40年以上経過し、その間の自然災害経験や最新の気象、風、雪氷、地震、建築・土木、構造工学やコンピュータリゼーションの発達等を反映した新たな設計標準が求められてきた。このため、各分野の最新知見を発展させつつ送電線の構造的特徴(連鎖構造物)に配慮し、以下のような最先端の設計法を確立した。 ・複雑地形を考慮した気象学的解析に基づく風向別風速マップ ・電線着雪モデル開発と気象データに基づく着雪マップ ・風の時空間的性質、着雪不均一性、地震波の特徴、更にはこれらに対する電線・鉄塔の応答特性を考慮した精緻な設計荷重評価法 設計労力についてはツールを整備した。これにより最新の学術的・客観的根拠に基づきつつも実用的で、かつ世界にも類を見ない新たな「送電用鉄塔設計標準」を制定した。今後、IEC規格への反映を目指していく。 |
架空送電線路標準化委員会 |
田代 洋一郎 | JIEC 62933-5-2 Ed1、IEC 62933-5-3 Ed1、JIS C 4441の規格開発 近年、電力系統用、再エネ変動緩和対策、および調整力市場向けなど急速に導入が加速している大型蓄電池をつかった電気エネルギー貯蔵システムに関して、蓄電池単体の規格はあるが、システム視点での規格が未整備である。こうした中、諸外国では蓄電池をつかった電気エネルギー貯蔵システムの安全性に関わる事故が多発しており、安全性に関する国際および国内の規格開発が急務である。このような背景の中、システムの安全性視点での国際規格(IEC)、およびこれに対応したJIS化をタイムリーに開発し、設備供給者に対しては安全設計の指針、設備利用者に対しては設備発注仕様および設備の運用・保守の指針を明確にした意義は大きい。 |
電気エネルギー貯蔵システム部会 兼 電気エネルギー貯蔵システム標準化委員会 兼 IEC TC 120国内委員会 |