マイクロマシン・センサシステム技術委員会(MSS)

マイクロマシン・センサシステム(MSS)技術委員会は,2000年4月に設立されました。その前進研究会であるセンサシステム応用技術研究会より現在まで脈々と続いている研究内容が多くあります[1]。 また,センサ技術は本来ニーズ指向の技術であり,応用分野に固有のセンサ技術を格段に発展させることが何よりも大きなブレークスルーになるとのポリシーが言及されています。 E部門の多くの会員はセンサデバイスの研究者と考えられるので,当技術委員会は,電子デバイスには無い,MEMSの機械的に動作する立体的なデバイスの内部機構とシステムの働き,更にはデバイスが実現するセンサ応用に注目する委員会であると言えます。 例えば,加速度センサやジャイロセンサでは,内部構造や仕組みとその加工法,更には移動ロボットなどへの活用法までを扱います。 車応用は,最も蓄積のある応用分野の一つで,特集論文に取り上げられています[2]。 図1はその一例です。車の内外で,製作技術に始まるデバイス,システムや応用に至る多くの技術が求められます[3]。現在盛んなIoT (Internet of Things) でも多くのセンサを活用しますが,単なる物理量検出から,より抽象的な状態把握にまで進んでいます。 委員会活動としては,デバイスよりの技術者にはシステム技術にマッチした高付加価値デバイスの動向とニーズ把握の場を提供することを,システムよりの技術者にはデバイス技術のこれからの発展方向に関する積極的な発言の場を提供することを,重要な柱とします。 活動内容は,電気学会全国大会,センサシンポジウム,研究会などを通じて広く社会に発信していきます。 なお,2019年1月から,フィジカルセンサ技術委員会と統合しました。先人の歩みを踏まえて更なる発展を目指しています。
図1:(a)道路交通の知能化,(b)車両運動制御に関係するセンサや制御部品,(c)圧力センサ,(d)ヨーレートセンサ[2, 3]

[1] 藤村貞夫, 安藤繁「センサシステム応用技術研究会の設立に当たって」電学論 E, 116巻, 2号 (1996) pp.47-55.
[2] 野々村裕「自動車用センサとMEMS技術」電学論 E, 126巻, 8号 (2006) pp.387-392.
[3] 保坂昭夫「将来のITSシステムとセンサ」電学論 E, 123巻, 3号 (2003) pp.63-68.

(2019年1月 委員長:佐々木実,豊田工業大学)
(2023年8月 委員長:戸田雅也,東北大学)

技術分野のキーワード

MEMS・NEMS,フィジカルセンサ(機械量,電気・磁気,光・放射線など),マイクロミラーなどの光応用デバイス,スイッチやフィルタなどの高周波応用デバイス,エネルギーハーベスティングなどの発電やエネルギー変換デバイス,極限・耐環境センサ,材料・プロセス技術,パッケージング,電子回路との集積化,デバイス内の信号処理・駆動方法),IoT (Internet of Things),AI (Artificial Intelligence),構造物モニタリング,農業支援システムなど

委員リスト

*2023年度
委員会役職 会員氏名 勤務先名
委員長 戸田 雅也 東北大学
副委員長 寒川 雅之 新潟大学
1号委員 青柳 誠司 関西大学
1号委員 安藤 妙子 立命館大学
1号委員 池沢 聡 早稲田大学
1号委員 岩瀬 英治 早稲田大学
1号委員 菅 哲朗 電気通信大学
1号委員 篠田 裕之 東京大学
1号委員 積 知範 オムロン(株)
1号委員 千住 亘 富士電機(株)
1号委員 髙橋 一浩 豊橋技術科学大学
1号委員 高橋 英俊 慶應義塾大学
1号委員 野田 堅太郎 富山県立大学
1号委員 畑 良幸 名城大学
1号委員 原 基揚 国立研究開発法人 情報通信研究機構
1号委員 福田 和人 東日本旅客鉄道(株)
1号委員 松本 壮平 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
1号委員 溝尻 瑞枝 長岡技術科学大学
1号委員 宮島 博志 住友精密工業(株)
1号委員 村上 修一 (地独)大阪産業技術研究所
1号委員 山下 馨 京都工芸繊維大学
2号委員 松永 忠雄 鳥取大学
幹事 櫻井 淳平 名古屋大学
幹事 佐々木 実 豊田工業大学
幹事補佐 神田 健介 兵庫県立大学
 

活動

技術委員会では,年4回程度(総合研究会,センサシンポジウム,全国大会などに合わせて)定期的に委員が集まります。また,調査専門委員会では,技術委員会と連携しつつ,研究会や見学会など独自の調査活動を実施します。 より具体的な研究会やシンポジウム情報は以下の通りです(申込〆切と開催月は目安で,聴講のみも歓迎します)。最新情報は,研究会開催一覧の電気学会ホームページの下部にて「すべてのマイクロマシン・センサシステム研究会分について開催日順で表示」を選択すると分かります。

定例会議等

  • 研究会・シンポジウム
    • (6-7月頃,申込4月頃)E部門総合研究会でのMSSからの発表(*†)
    • (3月頃)全国大会での企画シンポジウム(2/3年の確率で開催,希望提案を歓迎します)
  • 合同開催の研究会
    • (8月頃,申込6月頃)電子情報通信学会電子デバイス研究会(ED研)との合同研究会(*)
    • (12月頃,申込10月頃)A部門マグネティックス技術委員会とのE部門バイオ・マイクロシステム技術委員会との合同研究会(*)
    • (2-3月頃,申込1月頃)D部門 交通・電気鉄道技術委員会(TER)との合同研究会(*)

発表賞の推薦対象

  • 優秀論文発表賞A賞:35歳以下の若手(2/3年の確率で対象)(*)
  • 優秀発表賞:年齢制限無し(†)
 

調査専門委員会

フィジカルセンサ技術委員会 (EPHS)* 設置 終了
交通システムに関わるセンサ技術調査専門委員会,柴﨑一郎(野口研究所) 2006/4 2009/3
ユビキタス志向ナノマテリアル・プロセス技術調査専門委員会,橘勝(横浜市立大学) 2007/7 2009/6
社会システムの安全・安心に貢献するセンシング技術調査専門委員会,毛塚博史(東京工科大学) 2008/1 2010/12
集積化センサ製作調査専門委員会,松本佳宣(慶應義塾大学) 2008/7 2010/6
自動車に関わるセンサ技術調査専門委員会,室英夫(千葉工業大学) 2010/4 2012/3
生活を支えるエネルギーの創出・活用のための新センシング技術調査専門委員会,毛塚博史(東京工科大学) 2010/4 2013/3
環境監視技術調査専門委員会,松本佳宣(慶應義塾大学) 2012/4 2014/3
人センシング及び生体情報に関する調査専門委員会,三林浩二(東京医科歯科大学) 2013/9 2016/8
圧電MEMSデバイス調査専門委員会,神田健介(兵庫県立大学) 2016/4 2019/3
マイクロマシン・センサシステム技術委員会 (EMSS)* 設置 終了
ピエゾ・アクチュエータ調査専門委員会,熊田明生(日立製作所) 2000/4 2003/3
環境および安全にかかわる応用センシング調査専門委員会,桑野博喜(東北大学) 2001/6 2003/3
ナノメータ変位アクチュエータ調査専門委員会,熊田明生(日立製作所) 2003/6 2006/5
ナノファブリケーション調査専門委員会,磯野吉正(神戸大学) 2003/7 2005/6
ユビキタスネットワーク用センサに関する調査専門委員会,桑野博喜(東北大学) 2003/7 2005/6
光集積化ナノ計測システム技術調査専門委員会,澤田廉士(九州大学) 2005/1 2006/12
MEMSの医療応用に関する調査専門委員会,小西聡(立命館大学) 2007/8 2009/7
電気等価回路を用いたMEMS設計手法調査専門委員会,橋口原(静岡大学) 2008/11 2010/10
RF-MEMSワイヤレス通信応用調査専門委員会,鈴木健一郎(立命館大学) 2011/4 2013/3
シミュレーションを活用したトップダウンMEMS解析設計技術調査専門委員会,三田吉郎(東京大学) 2011/11 2013/10
メタマテリアル・プラズモニクスの光・電子デバイス応用調査専門委員会,金森義明(東北大学) 2013/12 2015/11
ナノスケール現象のMEMS応用に関する調査専門委員会,安藤妙子(立命館大学) 2014/4 2016/3
メタマテリアル・プラズモニック構造を基軸とする新機能創成に関する調査専門委員会,金森義明(東北大学) 2016/5 2018/4
MEMSのためのナノ加工技術調査専門委員会,安藤妙子(立命館大学) 2016/7 2018/6
立体構造や柔軟材料への微細加工、実装技術に関する若手研究者を中心とした調査専門委員会,松永忠雄(東北大学) 2017/1 2019/12
新:マイクロマシン・センサシステム技術委員会 (EMSS) 設置 終了
スマート社会に向けた高機能・高感度センサ技術に関する調査専門委員会,戸田雅也(東北大学)(設置趣意書 2018/6 2021/5
立体構造微細加工技術と異分野融合によるライフサイエンス応用と実用化に関する調査専門委員会,松永忠雄(鳥取大学)(設置趣意書 2020/4 2023/3
機能性材料とヒト感性マイクロシステムに関する調査専門委員会,寒川雅之(新潟大学) 2021/9 2024/8

* 電気学会E部門 研究調査専門委員会 年表より

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