注目論文(自動車技術)
タイトル | 自動車の電動化における最新技術動向 |
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著者 | 貝塚正明, 立花武, 小坂卓, 道木慎二, 太田豊 |
巻号 | 電学論D, Vol.139, No.6, pp. 535-542, 2019 |
推薦理由 | 本論文では自動車技術委員会における各調査専門委員会での技術動向調査結果に基づいて、48V系電源システム、パワー半導体や駆動モータ、エネルギーストレージや充電関連技術に分類して、各領域における最新技術動向を分かりやすく総括して解説しており、業界動向を俯瞰して理解するために有益な文献であるため、推薦論文として提案する。 |
タイトル | CIコアを使った自動車用リアクトルのギャップ配置法 |
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著者 | 山下聡也, 稲盛真美子, 森本雅之 |
巻号 | 電学論D,Vol.137,No.1,P69-74,2017 |
推薦理由 |
本論文は、近年の自動車電動化に伴って重要性を増しているDCDCコンバータの構成部品の一つであるリアクトルコアのギャップ配置法に関する案件である。これまで自動車用リアクトル分野では実務的な技術報告が主であったのに対して、本論文ではリアクトルコアに配置する総ギャップ長と、それらを分散配置した際の蓄積可能な磁気エネルギーについてFEAによるパラメトリックスタディーにより明らかにして設計指針を示しており、今後リアクトルの設計を行う技術者にとって有益な文献であるため、推薦論文として提案する。 |
タイトル | 永久磁石同期モータの位置センサレスベクトル制御のためのインバータ過変調駆動まで動作可能な位置推定系 |
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著者 | 近藤孔亮, 道木慎二 |
巻号 | 電学論D, Vol.136, No.11, pp. 829-836, 2016 |
推薦理由 |
本論文では、近年、電圧利用率向上のために可変調領域が活用される状況を鑑みて、誘起電圧推定を利用した位置推定手法を可変調駆動時に適用する場合の課題と、可変調駆動時に適用可能な位置推定系の構成・設計法について議論されている。理論的考察と実験により、提案手法が定常・過渡の両方の状態においても有効であることが示されており、産業応用上で有益な文献であるため、推薦論文として提案する。 |
タイトル | 走行中ワイヤレス給電システムにおけるリアルタイム最大効率制御 |
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著者 | 小林大太, 居村岳広, 堀洋一 |
巻号 | 電学論D, Vol.136, No.8, pp. 522-531, 2016 |
推薦理由 |
本論文では伝送効率の最大化に着目した走行中ワイヤレス給電システムの提案されている。等価回路から伝送効率ηまでの導出が丁寧になされており、結合係数推定、DCDCコンバータモデル化及び制御についても詳細に分析され、シミュレーションと実験により提案手法の妥当性を示している。走行中電力伝送技術は、電動車両普及拡大期における注目技術の一つであり大変有用であるため、推薦論文として提案する。 |
タイトル | 1950年式「EA型電気自動車 デンソー号」 |
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著者 | 藤綱 雅己 |
巻号 | 電学論D, Vol. 139, No.6, P. 574-579, 2019 |
推薦理由 |
本論文では1950 年に提案された電気自動車について、詳細なスペックを含めて技術的な開発の経緯が分かりやすく解説されており、現在のようなパワーエレクトロニクスが無い時代に如何にして所望の特性を得るように設計したかを感じることのできる文献であり、推薦論文として提案する。 |
タイトル | 世界最初のハイブリッド自動車 |
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著者 | 森本 雅之 |
巻号 | 電学論D,Vol.137,No.1,P69-74,2017 |
推薦理由 | 本論文では1898年に提案された世界発のハイブリッド自動車から始まり、シリーズハイブリッドやISGなど現在のハイブリッドシステムにつながる当時の技術を参考文献に基づいて具体的に且つ分かりやすく整理して解説されており、現在のエンジニアにとっても有益な内容であると共に読み物としても面白いため、推薦論文として提案する。 |
タイトル | Refinement of inverter model considering dead-time for performance improvement in predictive instantaneous current control |
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著者 | 井村 彰宏,高橋 友哉,藤綱 雅己, 残間 忠直,道木 慎二 |
巻号 | IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering, Vol. 9, No. 1, pp. 83–89, 2014 |
推薦理由 | 本論文は,第71 回電気学術振興賞(論文賞)の受賞論文である。永久磁石同期電動機(以下,PMSM)は我が国の基幹産業である自動車や産業用ロボットなどを構成する主要な動力源であり,PMSMの高性能化は,それを搭載する製品の付加価値に直結する。著者らはこれまで,既存の制御手法では原理的に満たすことができなかった速応性とオーバシュート抑制を同時に満たすモデル予測制御によるPMSMの電流制御系を構成し,その優れた応答を実験によって明らかにしてきた。本論文では,著者らがこれまでの開発途中で解決すべき問題として挙げていた制御対象のモデルの高精度化に対し,様々な観点からその解決法を明らかにし今まで以上の優れた応答性能を実現した。この成果は,HEVなど電動自動車の価値向上に貢献する有望技術であり,これまでのどの論文にも見られない,新規性と独創性のある研究成果である。以上より,本論文を注目論文に推薦する。 |
タイトル | 自動車の低燃費化に貢献する電動化技術 |
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著者 | 水谷 良治,立花 武,森本 雅之,赤津 観,星 伸一 |
巻号 | 電学論D, Vol. 135, No. 9, pp. 884–891, 2015 |
推薦理由 | 自動車の燃費改善の手段として電動化が注目されている。本論文では、背景となっている自動車の燃費規制の動向に始まり、モータ、パワエレ、エネルギーストレージなど各々の技術の概要を紹介している。近年の自動車に対して電動化技術の進化、システム的な理解に役立つので推薦論文として提案する。 |
タイトル | 自動車電源DC48Vのインパクト-DC42Vとの比較とDC60V以下の将来展望- |
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著者 | 寺谷 達夫 |
巻号 | 電学論D, Vol. 135, No. 9, pp. 892–897, 2015 |
推薦理由 | 自動車電源電圧を12Vから48Vに引き上げる動きが欧州から提案されている。本論文の筆者は2001年に世界に先駆けて42V化を量産化した経験を踏まえ、42Vと48Vのシステムの違いや、車両電源の高電圧化による利点を解説している。電源電圧の高圧化によってマイルドハイブリッドシステムとしての回生による燃費改善に加えて、ターボ、ポンプ、触媒ヒータなどの各種車載電気デバイスの変化やそのクルマへの影響を理解するのに役立つ論文として推薦する。 |