活躍する女性エンジニアたち、電気系職場の今を語る(第2回)-2ページ目

活躍する女性エンジニアたち、電気系職場の今を語る(第2回)
活躍する女性エンジニアたち、電気系職場の今を語る(第2回)
自分が目指したい姿を、口に出して周囲に伝える大切さ
活躍する女性エンジニアたち、電気系職場の今を語る(第2回)

コロナ禍のテレワークで家庭と職場が一体化、女性にはメリットが多い

— 稲盛:コロナ禍の中、企業も大学も働き方が大きく変わりました。これまで、職場に出向いて行っていた打ち合わせや商談、意思決定、決済などがオンラインで行われるようになりました。こうした働き方の変化は、女性の働き方にこそより大きな影響を及ぼしているように思えます。みなさんの職場では、働き方はどのように変わりましたか。

三松:安川電機では、多くの社員が在宅勤務も併用しています。ただし、私が所属しているつくば研究所は首都圏から離れている上、近隣に住んでいる人は単身赴任か独身が中心で、通勤も公共交通機関を使わないため、首都圏からの電車通勤者以外の出社は制限されませんでした。それでも、普段の業務ではこれまで出張して打ち合わせていたことや、設備や器具のメーカ担当者が来社して説明してくれていたことが全部オンラインになり、時間の管理が随分楽になりました。移動時間がないので、打ち合わせの直前まで用事を入れられるようになり、とても効率的になりました。

水谷:私は、週に1回か2回出社するくらいのペースで、残りは家からリモートで仕事をしています。やはり、出張に行かなくて済むようになり、随分と楽になりました。府中に会社の事業所があるのですが、川崎にも拠点があり、そことの打ち合わせが頻繁にあります。その際には、往復2時間掛けて出向いていたわけですが、それが全くなくなり効率が高まりました。仕事の密度が上がって、息抜きできる時間がなくなり、よいのか、悪いのか両面あるのかもしれませんが。

— 稲盛:中島さんは、現場の仕事もあるのですが、働き方は変わりましたか。

中島:はい、変わりました。私の職場も、昼間はテレワークをして、夜だけ現場にといったこともできるようになるなど、いろいろな働き方が選べるようになりました。ただし、テレワーク後の夜勤はヘトヘトだったり、テレワークですれ違いの勤務が増えたせいで、私が夜勤明けなのを知らない部下から気軽に昼間に決裁を求められたりといった、しんどさが増す面もあります。それでも、メールなどを通じて確認ができるようになったので、随分仕事の進め方が変わりました。現場勤務ではテレワークができないと思い込んでいたのですが、フレックス勤務も導入されて、働きやすくなったように思います。

水谷:web会議システムを使って打ち合わせなどをしていると、たまに子供が入ってきて、「おーい」と声を掛けたりすると、逆に場が和んだりします。リモートワークで、仕事の雰囲気が変わった面もあります。

中島:私も、子供のケガや病気で早く帰り、その後にテレビ会議などの後ろにその子が写り込んだりすると、会社の人が「元気になった?」などと声掛けをしてくれます。知らない子ではなく、身内がケガや病気をしたかのように感じてくれているようです。

三松:テレワークで親の仕事を目の当たりに見ることができるようになったのは、よいことかもしれません。自営業でなければ、そのような姿を見ることはできないでしょうから。私も、父や母が、働いている姿を見てみたかったなと思います。

中島:あえて、家庭の事情をオープンにした方が、理解が得られやすいのかもしれません。プライベートをオープンにするのは、良い面と悪い面があるのかもしれませんが、やむを得ず急に休む際でも職場は納得しやすいでしょうし、子供の体調不良で休んでいれば、緊急事態の時だけ連絡してもらえるなど、相手に配慮していただける事があります。

— 稲森:リモートワークが増えて、各家庭の様子が垣間見えるようになって、女性が抱える事情に対する職場の理解は得られやすくなってきたかもしれません。少しずつ、世の中が、女性が働くことに慣れ、家庭との両立でがんばる女性を応援する意識が定着してくるのではないでしょうか。