技術者・研究者インタビュー Vol.1

技術者・研究者インタビュー Vol.1
技術者・研究者インタビュー Vol.1
走りながら考えて新規性をつかめ!

狙うはビール半額の日の焼肉

— オフタイムのリフレッシュ方法を教えてください。

椋木:研究室での飲み会は、全員参加で盛り上がります。狙うはビール半額の日の焼肉ですね。

田重田:毎月1度、チーム全員で集まって会議をします。その後は懇親会があり、仕事から子育ての話など幅広く話すことができます。また、会社の野球サークルに所属しており、時間を見つけて仲間と汗をかくことでリフレッシュしています。

佐藤:セクション若手で年1回は旅行に行きます。昨年は北海道で、美味しいものを食べ、観光を楽しむこともできました。

家族とのキャンプや登山が夢

— プライベートタイムについてはいかがでしょう。

田重田:2歳の子供がおり、休日は子どもと一緒に過ごしています。最近は、散歩がてら電車を見て、スーパーで買い物をして、電車に乗って帰宅することが我が家のブームです。近くに広い運動公園や河川敷など子どもの遊ぶ場所が多く、育児環境が充実しています。子どもが大きくなったときに、家族でキャンプや山登りをすることが夢です。

椋木:妻とは同期で同じ職場ですが、現在は単身赴任なので、図書館で借りた本を読む、ゆっくりお風呂で考えごとをするといった日常です。
帰れば一人娘と自転車デート。普段会えない分、休みの日はできるだけ一緒に過ごします。最近はスターバックスのベリースコーンを二人で食べる。そんな時だけ甘えてくれるイケず娘に順調に育っています。

佐藤:帰宅後は読書の後、休日はできるだけ、ゆっくり休むことにしています。バイクが好きで、夏は毎週のようにテントと寝袋を持ってツーリングに出かけていました。最近では、ツーリングは少なくなり、車でキャンプに行きます。

最適なパワエレ装置の設計完成目指す

— 今後の夢をお聞かせください。

佐藤:装置単体だけで最適化ではなく、システムも含めて最適なパワエレ装置が設計できるようシステム設計についての知識を深めたいと思っています。具体的には、他励式の主回路設計だけでなく、自励式の主回路設計、さらに制御についても研究を深め、開発にも注力し、良い製品を作りたいと考えています。

田重田:電気工学の発展によって、エネルギー変換が容易となり、便利な機械がたくさん世の中に登場し、豊かな社会ができてきたと思います。電気と機械は密な関係で、機械の分野を知ることも重要ではないかと感じています。同時に、まずはお客様に喜んで頂ける製品を開発し、製品化したいと考えています。

椋木:まずは博士号を取得して、その研究成果で世界のデバイスモデル拠点を一巡し、プレゼンしながら世界一周を目指したいです。パワエレは、今後もグローバル市場が期待されます。世界の一流研究者と並んでみたいです。それ以外ですが、田舎育ちなので農学に興味があり。今でも農業のニュースは閲覧しています。農業は、これから自動化・電動化が加速しそうなので、これからのパワエレの新たなターゲットかもと期待しています。これまで経験した機種は静止品が主なので、動くパワエレ機器を担当してみたいですね。特に農業機器、たとえば安価なコンバインとか…。

お客様のニーズをつかむことが大事

— 近年技術部門のコモディティー化が進み、新規性のあるテーマを探すのが難しくなっていると言われていますがその点はどうでしょうか。

田重田:私はお客様が今何を求めているかということを聞いて、そこからニーズをくみ取っていくことが大事だと思っています。

椋木:私は今大学にいるので、新規性がないと論文が書けないわけです。非常に苦労しています。今回全部自分たちで作った経験で論文を書けたことから、新規性については「走りながら考える」のが一番いいんじゃないかと思っています。

佐藤:電気工学だけに限らないかもしれないのですが、色々工夫すれば新しいことはたくさんある分野でもあるので、工夫して楽しいなと思ったら深く突き進むのもありですし、楽しいなと思ったことを大切に進めていけば自分のためになると思います。自分でこんなことができたら楽しいなと思うことを日々整理することが大事かなと思っています。

楽しいと思えることをたくさん探せ

— 後進への一言をお願いします。

田重田:将来の職業を決めるうえで先輩技術者の声は大変参考になると思います。電気学会活動、インターンなどの活動に積極的に参加することで、皆様の将来に対する「きっかけ」を見つけることができるかもしれません。
パワエレということであれば素子、回路、制御とやることがたくさんあります。たとえば主回路の開発者が、開発した主回路を使いこなす制御開発に携わることもでき、なかなか飽きない分野だと思いますし、それが魅力でもあります。そういう環境に身を置ければ楽しい社会人生活が送れると思います。

佐藤:興味が湧くこと、楽しいと思えることをたくさん探して、その中でいろんなことを学ぶのが良いと思います。そして、その知識はいずれ自分のためになると思います。

椋木:「走りながら考える!」が私の活動指針です。悩ましい時こそスピードをあげた行動がおすすめです。
興味が湧くこと、楽しいと思えることをたくさん探して、その中でいろんなことを学ぶのが良いと思います。そして、その知識はいずれ自分のためになると思います。
私はパワエレじゃないところから来ましたので、「パワエレじゃなくても活きていけるんだ」ということを言いたいですね。パワエレを知らなくてもやれることはあるわけで、そういう生き方もいいんじゃないかと思っています。亜流のパワエレ技術者ですが。あ、妻は本流です(笑)。

聞き手

電気学会/産業応用部門/編修広報委員

塚越昌彦
(TMEIC)

小原秀嶺
(横浜国立大学)

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