技術者・研究者インタビュー Vol.3

技術者・研究者インタビュー Vol.3
技術者・研究者インタビュー Vol.3
ニュースレターの情報発信やコラボレーションを模索したい
3回目のインタビューは、モータ制御とそのソフトウェア技術について、それらを国際規格に適合させる開発をしている若手技術者に話して頂きました。 電気学会/産業応用部門/編修広報委員会で全体編集を担当する中で、もっと異業種の人との交流の場となって欲しいと考えられています。
  • 富士電機株式会社 技術開発本部

    國分博之さん
    こくぶんひろゆき

    入社:10年目
    業務内容:国際規格対応・制御技術開発
    大学院:2008年大学院卒(電気工学専攻)

電気工学への興味・会社との出会い

- 電気との出会いをお聞かせください。

子供の頃から電車が好きで、レゴとプラレールを組み合わせてよく遊んでいました。その遊びの延長線で、電機メーカーで機器を作ることが将来の夢になっていたのかもしれません。中学ですでに電機メーカーに就職することを将来の仕事として決めていましたし、その流れに沿うように高校、大学を選んだという経緯があります。
また学生時代のアルバイトでは、ホームページの制作会社に4年間在籍しましたが、顧客管理データベースやホームページ作成システムを社員のエンジニアと一緒に製作することで、IT関連の非常にいい経験を積ませてもらえたと思っています。

- 大学での研究内容は。

大学・大学院では電気工学を専攻しました。研究室はパワエレ系に応募を出し、抽選で受かった研究室に所属しました。その研究室で誘導加熱用の高周波インバータの可変周波数化についての研究をしました。
当時、大学の先輩が社会人ドクターとして私のいる研究室に通っていて、所属が富士電機ということで、今の会社を知りました。それまではほとんど知らなかったのですが、その先輩と話していろいろなことにチャレンジできる面白そうな会社だと思って志望し、運良く入社できました。入社後は、大学の勉強や研究室でのインバータの研究内容、アルバイトの知識が、パワエレや電気、ソフトウェア関連の広範な知識として今のベースになっていると思いました。

ロボット・工作機械向け汎用サーボを開発

- 現在の仕事内容について教えてください。

部署としてはモータ制御とそのソフトウェア技術の開発業務をしています。いろいろな製品の設計部門からの依頼に基づき、コストをなるべく抑え、かつ国際規格に適合するソフトウェア技術を開発し設計部門に提供するといった業務を行っています。
分野としてはFA・産業系部門等を担当しています。現在はロボットや工作機械向け汎用サーボの安全対応技術の開発を行っています。この開発テーマは、顧客や設計部門からの要望に応じて、製品の高性能化に必要なプラットフォームの再整備や、国際規格(IEC,ISO等)の製品安全規格に新規に対応させるという、大きなテーマです。
汎用サーボは、機械装置の位置合わせが必要な可動部分に多用されており、当社としても非常に重要な戦略的製品の一つで、この製品は汎用向けのため、クライアント別に個別に対応するというよりも、多目的に使用されるアプリケーションを目指しています。たとえばロボットの場合、全体のコントロールはクライアントが設計しますが、個々のモータの制御をどこまで細かく制御するか、機械装置の安全性の担保に必要な停止、速度制限の機能、使いやすさの追求、設定の簡略化などが私たちの具体的なテーマです。
その中でも国際規格・安全対応が私のメイン作業です。今までは国際標準規格対応も最小限に抑えられそれほど重視されていなかったのですが、今は非常に厳しくなっており、サーボといった機械装置の一部品であっても海外への輸出の時に問題が出るケースが出てきています。

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