電力・エネルギーフォーラム「ガス絶縁開閉装置(GIS)に関連する最新規格と今後の技術動向」「ガス絶縁開閉装置に要求されるIT化融合技術と 再生可能エネルギー対応技術の動向」

2022/04/11

概要

本フォーラムは,下記2件の技術調査結果に関するものである。

  1.  GIS関連規格の制定,改正の背景と内容及び当時議論された技術内容,また今後のGIS規格の改正に向けて実施した技術調査の結果
    近年ガス絶縁開閉装置(GIS)に関連するJEC規格及びIEC規格の改正や制定が相次いで行われた。初めにこれらJEC規格の改正及び制定の内容,JEC規格とIEC規格の整合性と相違点について概説する。
    次に,使用者と製造者が共通の認識で規格をより深く解釈することを目的として,JEC規格の改正や制定の過程において議論された実績調査や解析結果に関し,(a)複母線断路器のループ電流開閉責務,(b)相間雷インパルス耐電圧の低減,(c)温度上昇の限度および最高許容温度の見直し,(d)制御・操作および補助回路の耐電圧仕様について紹介する。
    最後に,JEC規格の改正過程において議論の対象に上がりながらも十分なデータが無く規格へ反映されなかった項目について,今後のGISの仕様見直しに役立てることを目的に行った,(a)フルGISでのループ電流開閉における回復電圧,(b)気中母線を含むGISでのループ電流開閉における回復電圧,(c)VTの残留電荷放電耐量,(d)線路用接地開閉器の誘導電流開閉責務に関する技術調査とそれら結果を踏まえた責務案について報告する。
  2. GISに関連するIT融合の実態と適用事例、GISにおけるHVDC対応技術、国内外の最新技術動向を踏まえた将来動向とGISに要求される技術調査の結果
    IoTやAIを活用した生産性の向上や設備の最適運用による業務効率の向上などに関して世の中の期待が著しく高まってきており,電力システムや変電所にも大きな影響を与えつつある。分散型電源拡大への対応および既存設備の有効活用を含めてスマートグリット構築が計画される中,今後,国内・外で変電所の監視制御システムのIT化への要求が顕在化してくることが予想される。また,再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電の大量導入が計画される見通しであり,特に風力発電の設置箇所において,設置環境,設置スペースなどの理由から我が国では洋上を主体に検討され始めている。これら再生可能エネルギーを基幹系統へ効率良く接続するため高圧直流送電(HVDC)等の導入が今後進むと考えられる。日本においては設置面積の縮小化や信頼性を重視する観点から,HVDC対応技術としてガス絶縁開閉装置(GIS)化の要求がより高くなるものと考えられる。
    このような状況のもと,IT化融合技術やHVDC対応技術のみならず高信頼化や環境負荷低減なども含めたGISの最新技術について体系的に整理した結果について報告する。

フォーラムのお知らせ

日時 2022年6月29日(水) 13:15-16:55
会場 電気学会会議室およびオンライン(Cisco Webex Meetings)によるハイブリッド開催

東京都千代田区五番町6-2 HOMAT HORIZONビル8階
JR総武線(中央線各駅停車)市ヶ谷駅下車,徒歩2分
TEL: 03-3221-7313

プログラム 1 「ガス絶縁開閉装置(GIS)に関連する最新規格と今後の技術動向」

  1. 13:15-13:20 開会,主催者挨拶,総論
    椎木 元晴(東芝エネルギーシステムズ)
  2. 13:20-13:35 日本におけるGIS関連規格の制定及び改正の背景と内容
    大渕 禎夫(東光高岳)
  3. 13:35-13:50 GIS関連規格の国際規格の改正内容,国際規格と国内規格の整合性および相違点
    相馬 功(日新電機)
  4. 13:50-14:05 複母線断路器のループ電流開閉責務,温度上昇限度及び最高許容温度
    松本 豪(東芝エネルギーシステムズ)
  5. 14:05-14:20 相間雷インパルス耐電圧値の低減
    新開 裕行(電中研)
  6. 14:20-14:30 制御,操作及び補助回路の耐電圧仕様
    松本 豪(東芝エネルギーシステムズ)
    休憩
  7. 14:45-15:00 GISループ電流開閉時のループ電流と回復電圧の考察,気中母線を含むループ電流開閉時の回復電圧の考察
    齋藤 大輔(日立製作所)
  8. 15:00-15:20 VTのケーブル残留電荷放電責務の提案,接地開閉器の誘導電流開閉責務の実態調査と標準責務の提案
    加川 博明(東京電力パワーグリッド)
  9. 15:20-15:35 全体討論
  • 司会進行:白井 英明(東芝エネルギーシステムズ)
    休憩
プログラム  2 「ガス絶縁開閉装置に要求されるIT化融合技術と再生可能エネルギー対応技術の動向」

  1. 15:50-16:10 IEC61850規格動向,IT融合の実態と適用事例
    六戸 敏昭(日立製作所)
  2. 16:10-16:25 大規模再生可能エネルギー導入とGIS
    小島 寛樹(名古屋大学)
  3. 16:25-16:40 国内外の最新技術動向と将来動向
    新開 裕行(電中研)
  4. 16:40-16:55 全体討論
  • 司会進行:富安 邦彦(日立製作所)
テキスト 電気学会技術報告1511号「ガス絶縁開閉装置(GIS)に関連する最新規格と今後の技術動向」,1434号「ガス絶縁開閉装置に要求されるIT化融合技術と再生可能エネルギー対応技術の動向」をテキストとして使用します。事前に各自でご購入ください。
電気学会電子図書館(https://www.bookpark.ne.jp/ieej/)で各自ご購入ください。価格はそれぞれ下記となります。
印刷冊子 会員 3,141円/2,494円 会員外4,488円/3,564円(税込・送料別)
PDF版 会員4,712円/3,742円 会員外6,732円/5,346円(税込)
※印刷冊子の納品は,入金確認後,約1週間かかります。
※PDF版の支払い方法はオンラインクレジットカード決済のみとなります。
参加費
  • 会員(正員) 2,000円(税込)
  • 会員(准・学生員) 1,000円(税込)
  • 会員外(一般) 2,500円(税込)
  • 会員外(学生) 1,500円(税込)
参加申込方法 6月22日(水)までに,参加申込システム(https://gakkai-web.net/p/iee/forum/new2.php?i=dpJzvvD8cWHcG3Sa)からお申込みください。定員(現地会場15名,オンライン180名)に達し次第,締め切らせていただきます)。
参加費支払い方法 オンラインクレジットカード決済のみとなります。上記URLから参加申込システムにアクセスしていただき,参加申込完了後,同システムにおいて決済してください。なお,決済完了後は同システムで領収書が発行されます。
問合先 東芝エネルギーシステムズ株式会社 白井 英明
E-mail: hideaki.shirai@toshiba.co.jp
主催 電気学会電力・エネルギー部門 開閉保護技術委員会
協賛 電気学会電力・エネルギー部門 ガス絶縁開閉装置(GIS)に関連する最新規格と今後の技術動向調査専門委員会,次世代電力システムに向けたガス絶縁開閉装置へ要求される技術動向調査専門委員会