令和6年 電力・エネルギー部門「研究・技術功労賞」および「部門活動特別貢献賞」受賞者
2025/02/04
電力・エネルギー部門(B部門)では,長年,地道な活動を続けてこられ,技術の発展に貢献された研究者または技術者の方々の労に報いるとともに,電力・エネルギー分野技術の更なる発展を図ることを目的とし,平成18年から,部門表彰制度として「研究・技術功労賞」を設けております。また,部門の活動に関する特に著しい貢献に対して,令和3年から「部門活動特別貢献賞」を新たに設けました。部門役員会での審査の結果,令和6年の「研究・技術功労賞」および「部門活動特別貢献賞」の受賞者は,以下の通り決定いたしました。受賞者は,令和6年電力・エネルギー部門大会の特別企画(9月5日)にて紹介されました。
件名 | 受賞者 | 受賞理由 |
研究・技術功労賞
「再生可能エネルギー大量導入に向けた次世代電力技術の発展への貢献」 |
岩田 章裕 殿 〔大阪大学〕 ![]() |
長年にわたり太陽光発電,風力発電など再生可能エネルギーの普及拡大に向けた研究開発の企画・推進に取り組んできており,我が国における再生可能エネルギーの先導的導入に貢献してきた。特に,風力発電の急激な出力変動(ランプ)の予測技術やこれを緩和する出力変動制御技術の開発や,我が国での今後の洋上風力発電普及を見据えた多端子直流送電システムの開発に関する国家プロジェクトを立ち上げて推進し,陸上・洋上風力発電の発展に寄与した。 近年は,再生可能エネルギーのさらなる導入に向けたVPP など需要家サイドの電力技術の開発でも成果を上げた。また,再生可能エネルギーを利用した電気自動車によるグリーン物流など,カーボンニュートラル実現に向けた電気自動車の活用策に関する研究も行っており,その将来性を見出している。 一方,大学・高専の電気工学分野の研究・教育を全国的に支援することを目的としたパワーアカデミーにおいては,産学連携の取り組みを推進し,再生可能エネルギーの普及拡大に向けた次世代電力技術に関する研究の活性化に貢献した。 また,上記活動と並行して,電気学会の電力技術委員会委員,新エネルギー環境技術委員会委員,風力発電大量導入時の系統計画・運用・制御技術調査専門委員会委員,編修専門部会委員などを通じて電気学会の様々な活動にも積極的に貢献している。 このように,長年にわたる再生可能エネルギーの普及拡大やB部門への研究・技術の発展に大きく貢献しており,研究・技術功労賞に推薦する。 |
部門活動特別貢献賞
「電気学会の将来を担う若手人材の育成推進 -高校生みらい創造コンテスト,U-21学生研究発表会開催への貢献-」 |
造賀 芳文 殿 〔広島大学〕 ![]() |
電気学会は,将来を担う若手人材の育成に寄与することも重要な役割の一つであり,学生および若手社会人に活躍の場を提供して学会活動の活性化を図り,ひいては今後の若手会員数の増強に繋げることが必要である。 受賞者は,編修委員会副委員長(2016~2018年),編修委員会委員長(2021~2022年)を務め,任期中に高校生みらい創造コンテストおよびU-21学生研究発表会の企画から開催まで積極的に牽引してきた。 高校生みらい創造コンテストは,高校生が電気・エネルギーおよび環境をテーマとした実験,測定,計算,設計を自らの発想で行った成果を,論文,スライド,ポスターなどで報告するものであるが,委員長任期中には18校から27多数の投稿があり,高校生らしい新鮮な発想の掘り起こしに成功するとともに,電気学会という活動の場を高校生・高専生に広く認識させることに貢献した。 U-21学生研究発表会は,中学生,高校生,高専生,大学3年生までを対象として,日頃の勉強や研究の成果を発表する場として開催し始めた。委員長任期中はコロナ禍でのオンライン開催であったが,口頭発表だけではなく動画を制作して発表することも認めたユニークな発表会には,さまざまな学校から数多くの参加者が集まり,発表会を通じて電気や研究を好きになってもらうという企画コンセプトが達成されたものと評価できる。 このように,電力・エネルギー分野の若手技術者・研究者の育成を目的として,若手会員が多数参加し活躍できる場を提供し,自発的なネットワークの醸成を支援することを通じて,若手会員活動の拡大に大きく貢献したので,「部門活動特別貢献賞」に推薦する。 |