令和元年度 電力・エネルギー部門長 吉村健司 ((株)電力計算センター)

2020/06/09

吉村健司

電力・エネルギー部門(B部門)に所属される皆様には、日頃から部門諸活動へのご理解・ご協力いただきありがとうございます。この誌面をお借りして一言メッセージをお伝えしたいと存じます。

我が国では、2020年に電力の送配電部門が法的分離される一方、風力発電や太陽光発電に代表される自然エネルギーや新型の電力変換装置が大量に導入されるとともに、IoT等の新しい情報通信技術も急速に進展してきています。このような劇的な環境変化に対応するためには、先人が築き上げた知識・知恵を活かしつつ、そこに柔軟な発想に基づく新たな技術を構築することが肝要です。
電気学会は「電気技術の知識を会員同士が交換し合い以って其学・其業の発展に寄与する」を使命としています。電気エネルギー社会の基盤を支える幅広い分野をソフト・ハード両面から網羅しているB部門においては、技術委員会のような組織活動だけでなく、個々人レベルでの研究・調査活動を通じて今後待ち受ける諸課題を乗り越えるための柔軟かつチャレンジングな提言を期待しています。また、高校生など将来の社会を支える新たな人材を育成していくことも併せて重要なミッションと考えています。そのような観点から、以下のような項目を通じて会員サービスの向上について取り組んでまいります。

1. 情報発信・交流の場の提供と会員増方策
B部門の最大イベントは電力・エネルギー部門大会です。多彩な論文セッション、特別企画(パネルセッションや特別講演)、学生ブランチ・YPC発表者懇談会、座談会、企業展示といった各種レギュラーイベントを用意しています。その他、部門大会に併設したフォーラムやチュートリアルも適宜組み入れる予定にしていますので、情報発信だけでなく自分が欲しい最新の生きた情報を入手する絶好の機会として活用して下さい。まだ部門会員でない方には、お得な「入会キャンペーン」も実施しています。

2. 知的資産の価値向上
B部門論文誌・インパクトファクターを有する共通英文論文誌・部門大会や研究会等を通じて発表される論文、また、技術委員会が発行する技術報告などは学会の貴重な資産です。そのうち、特に優秀な日本語の資産を広く世界に発信(グローバル化)するために、まずは日本語論文の英文化サービスを新設しこれにより部門誌への投稿を促すことで活性化を期待しています。また、技術委員会には最新の調査結果をタイムリーに会員に提供していただくことをお願いいたします。

3. 若手研究者の発掘・育成
高校生・大学生向けに「高校生懸賞論文コンテスト」「エネルギーワンダーランド」を開催し、若い世代へ電気エネルギーへの関心を持っていただく活動を続けており参加者から好評を得ています。また、学生ブランチ活動、若手研究者表彰などを通じて、次世代技術者の育成やモチベーションアップにも力を入れていきたいと考えています。

このような活動を通じて活性化を図り、会員の皆様にとって価値ある部門としていく所存ですので、いろいろなチャンネルを通じて皆様のコメントやアイデアを頂戴できると幸いです。できることから少しずつでも取り組みますので、今後ともご支援並びにご協力をよろしくお願いいたします。