令和2年度 電力・エネルギー部門長 蘆立修一((公財)東電記念財団)

2020/07/05

日頃より電力・エネルギー部門(B部門)の活動にご理解・ご協力をいただきありがとうございます。B部門長就任にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

電力を取り巻く環境は、SDGs(持続可能な開発目標)、またカーボンフリー、データドリブンのメガトレンドのもと、より速く大きく変化してきました。このたびのコロナ禍を機に世界が大きく変貌することは想像に難くありません。人々の働き方の変化とともに、自然災害の多い日本では、自立分散、自然災害に対するレジリエンス、セキュリティ確保に対するニーズが加速するのではないかと思っております。B部門は、社会・産業基盤を支える電力を主体に活動して参りました。今後、これらの動きに対応するため、電気自動車やロボットの活用等、異業種の技術との融合によるイノベーションが進むものと考えます。多岐に亘る技術領域をベースに、新たな技術領域の取り込みや他部門・他学会との連携をさらに進めて参ります。

B部門の活動を支えているのは7,526名の会員の皆様です。ここ10年間、会員数の減少に歯止めがかかっておりません。若手会員の春の退会も多く、繋ぎ止めは継続の課題です。一方で、部門収支に占める部門大会の比重が大きくなっていることから、より多くの方々にご参加いただける魅力ある大会とすべく努めて参ります。

新型コロナウイルスの感染拡大による行動変容が求められる中、部門のさらなる価値創造に向け尽力して参る所存ですので、引き続きご支援とご協力を賜りたくお願い申し上げます。

1)部門論文誌
部門論文誌は電子投稿査読システムのもと、査読者の増員、専門分野の登録の必須化を図りました。丁寧な査読を維持しつつ、査読期間の短縮によるタイムリーな技術情報の発信を進めます。共通英文論文誌は、学会で唯一Impact factorを有する論文誌であることから部門として特集号の提案、企画を継続します。研究会とも連携し、若手研究者の質の高い論文は英文化の翻訳を支援し、掲載数の増加に努めます。

2)研究調査
将来の電力(電力工学)を取り巻く環境の変化を見据え、中長期ビジョンの検討等、研究調査活動の活性化の議論を始めます。昨年の部門大会では、土木学会に所属の2名の先生方にご登壇いただき、スペシャルセッション「持続可能で災害に強い社会にするにはどうするべきか?」を開催しました。異なる視点からのレジリエンスの考察は示唆に富む内容となりました。特別講演、パネルディスカッション等の企画の充実を図るとともに、新型コロナウイルス感染の影響の長期化を鑑み開催方法の工夫を図ります。

3)若手会員活動
新しい企画である「U-21学生研究発表会」、「高校生みらい創造コンテスト」、学生会員の自主的な活動を支援する「学生ブランチ・YPC発表者懇談会」、「エネルギーワンダーランド」も工夫し、将来を担う若手の方々が関心をもっていただく活動を進めます。

4)情報発信
部門ホームページ等を通じたコンテンツの充実、SNSの活用による広報活動の強化を図ります。