用語解説 第48回テーマ: エコーネットライト(ECHONET Lite)

2020/08/28

新井 裕 〔(株)明電舎〕

1. はじめに

通信ネットワークの高速化,エネルギー管理機能を持つ家庭のICT 化への関心が高まりから,家庭内における情報家電のホームネットワークへの接続が要望されている。2012 年2 月スマートコミュニティアライアンス国際標準化WG スマートハウス標準化検討会は,エコーネットライト(Energy Conservation & HOmecare NETwork Lite)を,HEMS(Home Energy Management System)の公知な標準インターフェィスとして推奨した。

2. エコーネットライトとは

エコーネットライトは,IS(International Standard:国際規格)であるECHONET 規格から,既設のネットワーク・伝送路にも導入が容易なように,伝送メディアフリー(国内外の標準プロトコル対応)の規格として策定された。具体的にはOSI レイヤー1~4 層は規格化せずにOSI レイヤー5~7 層までを策定・規格化している。

ECHONET Lite 規格の一部であるIEC 62394 ed2.0 がIEC/TC100 においてIS として2013 年9 月に発行された。更にISO/IEC14543-4-3 がISO/IEC JTC 1/SC 25 WG1 において2014 年3 月にCD(Committee Draft for comment:委員会原案)として承認され,2014 年度中にIS となる予定である。

ECHONET Lite 規格では,ECHONET 規格のオブジェクト仕様に合わせ,センサー機器,空調関連機器などの8 クラスグループ,家電機器やエアコンの,センサー類などの90 種類以上のオブジェクト仕様(各機器が持つ情報や温度・電圧などの制御対象を含む)が規格化されている。

3. そ の 他

ECHONET 規格は,CO2 排出量の削減,ホームセキュリティやホームヘルスケアの高度化に対応するために,家電機器の遠隔制御/モニタリング等に活用できるホームネットワークの基盤ソフトウェアおよびハードウェアの開発を進め,その基盤技術を確立してきた。ECHONET 規格はISO/IEC 14543-4-1,ISO/IEC 14543-4-2,IEC62840,IEC62394,IEC62457 のIS となっている。

また,その他(主に海外)のホームネットワーク向けの規格としてはKNX(Konnex Alliance:EN 50090,ISO/IEC14543-3),ZigBee(IEEE 802.15.4),SEP2.0(Smart Energy Profile 2.0:ZigBee Alliance)等の標準化が行われている。

ECHONET およびECHONET Lite は一般社団法人エコーネットコンソーシアム(http://www.echonet.gr.jp/)が規格化,策定団体である。また同法人の商標である。

【電気学会論文誌B,135巻,3号,2015に掲載】