用語解説 第69回テーマ: 蓄電池

2020/09/25

田村 滋 (明治大学)

1. はじめに

蓄電池には様々な種類や用途があるが,ここでは充放電可能な二次電池で,電力系統に接続される定置用の蓄電池システムに用いられる蓄電池について述べる。発電出力が常に変動する再生可能エネルギーに蓄電池を併設すると,蓄電池の適切な充放電により,再生可能エネルギーの発電出力の変動を抑制することができる。また,蓄電池は余剰な電力を充電し,必要な時に放電することで電力貯蔵設備として利用できるほか,周波数制御などの需給バランス制御にも適用できる。

蓄電池システムは主に蓄電池,PCS(パワーコンディショナ),制御装置より構成され,制御信号によりPCS が蓄電池を制御する。PCS の制御により,上記の有効電力だけでなく無効電力や力率も調整することができる。

一般的に使用されている蓄電池の種類には,NaS,鉛,リチウムイオン,レドックスフローなどがある。

2. 蓄電池の主な特性

蓄電池の使用において,考慮すべき主な蓄電池の特性を表1 に示す。これらの特性は蓄電池の種類により異なる。

表1 蓄電池の主な特性

表1 中のエネルギー密度が大きければ蓄電池の設置面積に対し,省スペースとなる。C-rate は例えば1C は最短1 時間で満充電,5C は最短1/5 時間で満充電できることを表し,C-rate が大きいと容量(Wh) に対し大きな入出力(W)で充放電できることを意味する。蓄電池の使用目的に必要な容量や入出力に対し,適切なC-rate の蓄電池とその容量を決定する。また,サイクル寿命やカレンダー寿命などの蓄電池の寿命は,蓄電池の経済性を検討する上で重要である。蓄電池が使用される温度条件などによりこれらの特性は変化することにも注意が必要である。

【電気学会論文誌B,136巻,12号,2016に掲載】