用語解説 第109 回テーマ: 集光型太陽光発電システム

2020/10/06

伊藤 雅一 (福井大学)

1. はじめに

地上設置型太陽光発電システムの架台は,大きく分けると近年よく見られる平板固定架台のほか,東から上を向いて西に追尾する平板一軸追尾架台,太陽を追尾する集光二軸追尾架台の3 つがあり,3 つ目は集光型太陽光発電システムと呼ばれることが多い。集光型熱発電システムとよく混同されるが,これは集光熱により蒸気等を作り,タービンを回すものであるから異なる。

2. 集光型太陽光発電システムの特徴

主にレンズを利用し,太陽の光を数倍から数百倍に集光して太陽電池で発電する。図1 のようにモジュール化されていることが多い。数百倍の集光であれば太陽電池の大き
さも数百分の一でよいため,多接合型のような高価な太陽電池も利用可能である。平板型の太陽電池では直達光と散乱光の両方で発電するが,レンズは一般的に一方向からの光を集めるため,直達光のみを利用して集光する。よって,直接太陽の見えない曇りの日はほとんど発電できないが,晴れの日は朝から出力が大きく立ち上がり一日中出力は高く,平板固定架台と比べてより多く発電する。特に,晴れの多い地域での利用が効果的と言われる。また,集光による温度上昇や電流増加のため効率が下がる要素もあるが,光強度が上がると開放電圧は対数的に増加するため,一般的には発電効率は向上する。


図1 集光モジュール(左)と集光型太陽光発電システム(右)

3. おわりに

集光型太陽光発電システム向け高効率太陽電池など盛んに研究が行われており,様々なシステムの協調が再エネ大量導入につながると期待されている。

文 献

Peter Würfel(宇佐美徳隆,他 監訳):太陽電池の物理,丸善 (2010)

【電気学会論文誌B,140巻,4号,2020に掲載】