用語解説 第111 回テーマ: 超電導限流器

2020/10/09

石田 隆張 (明星大学)

1. はじめに

限流器は事故時にだけ作動して,過大な電流を限流する装置である。限流器に要求される特性として,
・常時はゼロ,あるいはゼロ近くのインピーダンス
・事故時に高インピーダンス
ということが要求される。これを拡充・連系が強化されつつある電力系統に導入すると事故電流を抑制すること,すなわち大電流を切ることが求められる遮断器において,過大電流最大値を下げることが可能となる。したがって,余裕度(過電流設計倍数)を低く抑えることができ,経済的メリットが大きいものと考えられる。また副次的な効果として,系統運用の柔軟化,過渡安定度の向上等が期待される。

2. 超電導/常電導(S/N)転移型超電導限流器

超電導限流器は電気抵抗ゼロと,マイスナー効果(1)を示す超電導特有な現象を利用したものである。特徴として,
・制御系が簡易
・故障電流に対して事故起動型であり,高速に動作
が挙げられる。S/N 転移型超電導限流器には直接限流形,転流形,磁気遮へい形がある。それぞれの回路構成と動作原理を表1 に示す。

表1 回路構成と動作原理(2)

期待が大きい超電導限流器であるものの,6.6kV 以上の高圧化技術の開発が必要(3)となっているため,実用化まで時間が必要と思われる。

文 献

(1) 電気学会大学講座:超電導工学(第3 版),電気学会 (1983)
(2) 電気学会・大電流エネルギー応用技術調査専門委員会編:大電流エネルギー工学,オーム社 (2002)
(3) https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/e00/01/h21/108.pdf

【電気学会論文誌B,140巻,6号,2020に掲載】