用語解説 第115 回テーマ: UPS

2020/10/09

宇都宮幸司 〔東京電力ホールディングス(株)〕

1. はじめに

一般にパソコンやデジタル制御機器が予期せぬ停電や商用電源に異常があると,データ消失や制御機器の異常動作,または機器が破損することがある。UPS とは,商用電源に異常があった場合に電源を供給する機器に対し,一定時間電力を供給し続けることで,データや機器の保護を行うことを目的とした装置のことを言い,Uninterruptible Power Supply(無停電電源装置)またはUninterruptible Power Source(無停電電源)の頭文字を取ったものである。

2. UPS の種類

現在UPS には大きく3 種類の給電方式があり,それぞれ電源を供給する機器が要求する電源品質にあったUPS を選定する必要がある。

(1) 常時商用給電方式
停電発生時のみインバータを起動し供給する方式

(2) ラインインタラクディブ方式
常時商用給電方式に電圧安定化機能を追加した方式

(3) 常時インバータ給電方式
常にインバータで生成した電源を供給する方式


図1 常時商用給電方式UPS動作例

3. UPS の供給時間

UPS の蓄電池には主に鉛蓄電池が使用され,最近ではリチウムイオン二次電池も採用されている。UPS に接続する蓄電池の容量により供給時間を定格出力で数分~数時間とすることができる。

 

【電気学会論文誌B,140巻,10号,2020に掲載】