技術報告新刊 第1590号:高電圧遮断器へのセンシング技術の適用とその応用
2025/05/07

2025年04月22日(発刊日)
高電圧遮断器へのセンシング技術の適用とその応用調査専門委員会
要 約
本調査専門員会では,国内外の52kV超のSF6ガス式及び真空式高電圧交流用遮断器に対する故障実態の調査状況を整理し,センシング技術とその結果の利用・応用技術について,新しい研究・開発成果の報告など最新動向の調査を行い,体系的に取りまとめた。文献調査は,2007年から2023年発刊の文献を対象とした。2章の故障実態の調査結果では,国内外問わず,操作機構,制御回路,ガス圧力に関する故障の件数が多いことが分かった。この結果から,開閉特性や電動機特性,タンクのガス圧力を監視項目とすることが有用であると考えられる。3章では,遮断器を構成する部位毎に監視対象項目を分類し,各種センサとセンシング技術について整理した。近年では,非接触で機器の状態を監視可能とする技術の研究がなされており,機器改造を必要としない点で,経年器の状態監視として有効な手段となり得るため,今後の発展が望まれる。4章では,各種センサデータを複合的に取り扱うシステムに焦点をあて,監視システムの導入事例を調査した。その結果,国内外ともに,遮断器の保全効率化を目的とした導入事例は多く,機器制御技術へのデータ活用事例は,遮断器の同期開閉制御のみであった。海外では,状態データを元にして健全性指標を数値化し,設備管理の優先度の判断材料に活用する事例が見られた。監視システム導入には多くの課題があるものと想定されるが,センサデータの応用次第で益々の利用価値向上が期待される。
購入はこちら↓

電子図書館のサイトから,技術報告の目次・委員名簿・1ページ目をご覧になれます。