用語解説 第134回テーマ: EGS

2022/05/10

田中 高穂 〔関西電力(株)〕

1. はじめに

近年,カーボンニュートラルの観点から再生可能エネルギー利用拡大のニーズが高まっている。しかしながら,地熱発電について日本は世界3 位の地熱資源大国でありながら,そのポテンシャルを十分に活かせていない。EGS はEnhanced Geothermal Systems(地熱増産システム)の略で,従来型の地熱発電(用語解説第47 回参照)では活用できなかった地熱資源の活用が期待されている。

2. EGS の種類

EGS には次のタイプがあり,研究開発が進められている。


図1 4タイプの地熱増産システム(EGS)

(1) 貯留層造成型(高温岩体発電)

高温ではあるが亀裂や熱水のない岩盤(高温岩体)に高圧の水を圧入し人工の貯留層を作成する。

(2) 貯留層改善型

貯留層の透水性や熱量が小さいため自噴しない場合,注入井から水の圧入で亀裂を拡大させ熱水の流動を改善して,生産井にポンプを設置して熱水を汲み上げる。

(3) 貯留層涵養型

貯留層内の熱水量や圧力が減衰し出力が低下した地熱発電所の貯留層に注水して熱水量や圧力を回復させる。

(4) 超臨界型

火山の周辺では比較的浅部で冷却過程のマグマ(超高温岩体)が水の臨界温度(374 度)を超える高温状態にある。この熱を利用できれば大きな出力が得られる可能性がある。

文 献

(1) 海江田秀志:ゼミナール232「地熱開発で注目される地熱増産システムとは?」,電気新聞 2021 年4 月28 日

【電気学会論文誌B,142巻,5号,2022に掲載】

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