用語解説 第175回テーマ:終端接続部

2025/10/01

福濱 大河〔SWCC(株)〕

1. 終端接続部とは

終端接続部は電力用ケーブルの末端に取り付けられ,電力機器と接続するためのいわばコンセントのような役割を有する。様々な形状が存在するが,絶縁媒体によって大別すると,EB-A(気中終端接続部),EB-O(油中終端接続部),EB-G(ガス中終端接続部)の3 種類に分けられる。

図1 終端接続部の種類

2. 変電所での終端接続部の使用例

発電所から発電された電気は,エネルギー損失を抑えるために高電圧で送電され,その後,変電所に設置された変圧器によって電圧が下げられる。この送電の過程で架空送電線から変電所に電気を引き込む際には,リード線とケーブルを接続するためにEB-A が使用される。さらに,変電所に引き込まれたケーブルを絶縁油が充填された電力機器(Tr:油入変圧器等)に接続する際にはEB-O,ガスが充填された機器(GIS:ガス絶縁開閉装置等)に接続する際にはEB-G が使われる。

図2 変電所での終端接続部使用例

3. 終端接続部の要求性能

電力機器と接続するにあたり,安全性を確保するため十分な絶縁が不可欠である。電圧階級が上がるにつれて,高い絶縁耐力が要求されるため終端接続部のサイズも大型になる。しかしながら,都市部では機器の設置スペースに制約があることや,接続工事の作業性・耐震性能の向上といった観点からTr やGISの縮小化と共に終端接続部の小型化が求められている。

【電気学会論文誌B,145巻,10号,2025に掲載】

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