平成22年 電力・エネルギー部門「研究・技術功労賞」受賞者

電力・エネルギー部門(B部門)では,長年,地道な活動を続けてこられ,技術の発展に貢献された研究者または技術者の方々の労に報いるとともに,電力・エネルギー分野技術の更なる発展を図ることを目的とし,平成18年から,部門表彰制度として「研究・技術功労賞」を新たに設けております。
研究調査運営委員会および部門役員会での審査の結果,平成22年度の受賞者は,次の3名の方々に決定いたしました。表彰式は,九州大学で開催されました平成22年電力・エネルギー部門大会の特別企画(9月2日)で執り行われました。

(あいうえお順)

件名 受賞者(所属) 受賞理由
「分散形電源の系統連系に関する技術開発への貢献」

石川 忠夫 殿
((財)電力中央研究所)

石川 忠夫 殿 ((財)電力中央研究所)
受賞者は,30年以上にわたり,二次電池や超電導を用いた電力貯蔵装置,ならびに太陽光発電,燃料電池,小規模交流発電機などの分散形電源の系統連系に関する研究に従事し,わが国の分散形電源の系統連系技術の確立,ならびに分散形電源の導入に大きく貢献した。特に,配電系統の電圧変動や高調波などの電力品質,ならびに分散形電源の単独運転検出などの保護・保安に関する実証的研究を精力的に推進し,その結果に基づいて,系統連系規程,系統連系用電力変換装置のJEC,定置用燃料電池発電システム用電力変換装置のJISなどの規格策定に大きく寄与した。
「GIS/GCB 診断技術の高度化。CBM化対応技術の各開発を通して変電所の保守高度化に貢献」

亀井 光仁 殿
(三菱電機(株))

亀井 光仁 殿 (三菱電機(株))
受賞者は,長年にわたって,電力業界を取り巻く機器の高経年問題,環境対策(SF6漏洩抑制)などの社会的なニーズに対して,貢献をしてきた。この間に、プラント点検などにおける計測技術の多様性と高度化の新概念を提案。1993年以降,およそ20年間にわたってガス絶縁開閉機器分野における状態監視制御技術の高度化に従事し,変電所現場における数pCレベルの部分放電診断やIEC,JEC改定規格対応の0.5%/年以下の微量SF6 ガス漏れ診断管理など、現在のCBM(ConditionBased Maintenance)時代の基礎を築いた。
「超電導応用技術の発展への貢献」

林 秀美 殿
(九州電力(株))

林 秀美 殿 (九州電力(株))
受賞者は、30年以上の間、電力技術に、その内17年間超電導技術の開発に従事され、当時世界最大級のSMESを開発して電力系統で機能実証するとともに、世界初のイットリウム系超電導変圧器も実現した。また、超電導コイルの機械的擾乱の損失への影響を解明してその抑制手法を実証するなど、超電導応用技術の発展に貢献された。