用語解説 第184回テーマ:SIS(Solid-insulated Switchgear, 固体絶縁開閉装置)
2026/08/01
前納 覚 〔三菱電機(株)〕
1. SIS とは
SIS は,固体絶縁方式の採用による顕著な小形化,安全性・信頼性の向上および環境負荷の低減を実現した開閉装置である。エネルギー密度が高い日本の都心において,1960年代後半から導入が始まり,設置スペースに制約のある地下変電所や狭隘な電気室を中心に普及が進んだ。24/36 kVの中電圧クラスでは,国内外でこれまでに 6,000 台以上のSIS が設置されてきた。図 1 に 24 kV SIS の内部構造例を示す。通電導体は高い絶縁耐力を有するエポキシ樹脂でモールドされている。遮断部には真空バルブが用いられ,断路器および接地開閉器には気中絶縁方式や真空バルブが用いられる。
2. SIS の特長と展望
主変圧器二次側に使用される24 kV SIS は,同電圧のキュービクル形 SF6 ガス絶縁開閉装置と比べ,体積比で約 50%に小形化されている。また,感電防止のため,固体絶縁の外表面は接地層により覆われている。約 50 年にわたる 24kV SIS の運用実績に関する調査では,重大事故発生率は,SF6 ガス絶縁開閉装置(定格電圧 60 kV ≤ U < 100 kV)の約半分と低く,SIS の高い信頼性が示されている。さらに,ライフサイクルアセスメントの観点からも,SF6 ガスを使用するキュービクル形に対して環境にやさしい。以上より,SIS は,気候変動対策の観点から今後適用拡大が予想される,SF6 ガスを使用しない開閉装置のソリューションの 1 つとして期待される。
文献
Y. Ishikawa, R. Itotani, S. Maeno, Y. Niwa, and H. Shirai : “Long operational experience of medium-voltage solid-insulated switchgear”, CIGRE 2024 Paris Session, SC A3 No.11266 (2024)
