第1回国際シンポジウム「教育課程全体を通した技術者倫理教育の展望」

2009/03/11

開催のご案内

金沢工業大学科学技術応用倫理研究所
所長 札野 順

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より本学の教育・研究へのご理解とご支援をいただき深謝いたします。

さて、「人間形成」を建学綱領の筆頭に掲げる本学では、技術者の倫理教育を重視してまいりました。本学の教育課程全体を通した取り組みである「価値の 共有による技術者倫理教育?行動を設計する新教養教育?」は、幸いなことに、文部科学省「平成 19年度 特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」 に選定されております。この取り組みの概要は以下のとおりです。

現代の高度科学技術社会において、技術者の判断や行動は社会に多大な影響を与えます。「自ら考え行動する技術者の育成」を教育目標とするKITは、公衆の 安全・健康・福利を最重要価値とする倫理観に基づいて、判断し行動できる能 力を育成する技術者倫理教育プログラムを人間形成教育の血脈としています。

本取り組みでは、この技術者倫理教育プログラムを技術者になるための新教養教 育と位置づけ、初年次教育から専門教育全体に展開しています。特に、本取組 のコアとなる「技術者入門」「日本学」「科学技術者倫理」の三つの必修科目 において、社会に貢献する技術者として重視すべき価値の共有を図ります。さらにマイクロインサーション手法を導入して、専門科目にも倫理問題を取り込 むことで、教育課程を通して技術者倫理に基づく行動設計ができる能力を育成します。本取り組みにより技術者の卵であるKITの学生たちに行動規範を重視する文 化が醸成されつつあります。(なお、マイクロインサーションとは、各授業科目に、適度な倫理的・社会的文 脈を組み入れることで、技術者としての自覚を呼び起こし、技術者が重視すべ き「価値」について考える機会を学生に与える教育手法です。)

このプロジェクトの一環として、標記の国際シンポジウムを下記の要領で開催いたしますので、是非、ご参加いただけますよう、ご案内申し上げます。今回のシンポジウムでは、本学の取り組みの中間報告を行い、国内外の有識者、大学関係 者の皆さまからのご意見をいただくことを主目的としております。また、米国およびアジア諸国における技術者倫理教育の現況について、米国の「教育課程全体を通して行う倫理教育」学会(The Society for Ethics Across the Curriculum)会長ダン・ウエスト氏(Dan Wueste)氏、同学会学会誌編集委員長であり我が国でも有名な技術者倫理教科書の著者の一人であるマイケル・プリチャード(Michael Pritchard)氏をはじめ、この領域に造詣の深い方々のご講演およびパネル・ディスカッションが行われます。

年度末のお忙しい時期とは存じますが、是非ご参加いただけますようお願い申し上げます。

日時

平成21年3月11日(水)午前10時から午後5時30分(部分参加可)
(尚、午後6時30分より別会場でレセプションを開催いたします。)

場所

<第1会場>
 金沢工業大学東京虎ノ門キャンパス(1204教室)
<第2会場>
 金沢工業大学扇が丘キャンパス1号館(1.213号室)

参加費

無料(ただし、資料代をいただくこともあります。)

プログラム

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